メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

2022夏Broadway 5日目火曜日

2022年10月10日 | NEWYORK

無事陰性証明も出て帰りの飛行機に乗れることになった。

控えていた外食でもしようかと思ったけど、それにこの円安物価高でパンケーキでも食べに行ったら軽く5000円以上はかかる。
それだったら日本で美味しいうなぎやお寿司が食べられるなぁと思い、万一の隔離に備えて持ち込んでいた食料を消費することに。



残された枠は火曜ソワレと水曜マチネ・ソワレ。
月曜日の検査で陽性ということになったらチケットが無駄になってしまうので、まだ購入していなかった。
Box Officeが開くのは10時なので、その前にお土産の調達にいくことにした。アッパーウエストにあるFairwayへ。
サラベスのジャムを10本ほど購入する。(無茶苦茶重い)

 

ホテルに荷物を置いてからチケットを買いに劇場街へ。
まず向かったのはMJ上演中のNeil Simon劇場。
水曜日の夜の締めにMoulin Rouge!にしたかったので今夜のチケットを希望と言ったら、Sold Outとのことだった。
月曜の夜にネットでリセールしかないのは確認していたけれど、結構当日券が出てくるものだと思い込んでいたので想定外だった。

というわけで水曜夜のチケットを買うことにした。

179ドルの席を勧められたけど、E列パーシャルビューで127ドルの席があったのでそちらにした。

多分マイケルは真ん中でしか踊らないと信じて。

それからInto The Woods上演中のSt. James劇場へ。
こちらも今夜のチケットは完売。水曜マチネを購入。
J列下手15番(中央列から8番目)を199ドルにて。

そしてMoulin Rouge! The MusicalのAl Hirschfeld劇場にて今夜のチケットを購入。
J列センター106番を199ドルにて。

3年ぶりにNew Yorkに来て変わったことといえば、チケット業者にTicket Geekが参入して幅を利かせているということ。
Moulin Rouge!とInto the Woodsがそうだった。
この業者の嫌なところって、ネットで購入時に席番がはっきりわからないこと。(列とセンター・上手・下手位までは表示される。)
20年以上前に日本がちけっとぴあ店頭売りメインだった頃、テレチャージやチケットマスターの席を選べるシステムに感動したものだけれど、なぜか退化している現状にがっかり。

それでも希望のショーをそれなりに良い席でもれなく観られることに安堵。
ようやく観光らしい観光ということでメトロポリタン美術館に向かう。

劇場街からMetに向かうには、Times Square駅から地下鉄で81st駅か86st駅で降りてセントラルパークを横断するのが早い。
乗るべきは各停のC線なのだけれど、メガヒヨはうっかり急行のA線に乗ってしまった。
だってだって、1・2・3線は1が各停で2・3が急行じゃん。そしたらついA線が各停でC線が急行とか思っちゃうてば。

そんな訳で59st Columbus Circle駅を発車した後、125st駅まで乗り続けてしまったのであった。
このうっかりさんを通称、A列車で行こう(Take the 'A' train)と呼んでいる。
なぜなら過去(2014年)にも同じことをやらかしているからだ。
その時は125st駅で降りて、ニックくんがツアー中なのをいい事にここら辺に住んでいるんだ~とうろうろした。
それも良き思い出ですな。いや、学習能力なさすぎ。New York 21回目なのに。

閑話休題
125st駅から81st駅まで下りセントラルパークを横断してようやくメトロポリタン美術館に到着した。


チケットを購入する。30ドル。初めて来た1999年は寄付推奨額が8ドルだったなぁと思い返す。
まぁ数々の美術品を保持するためにはお金が掛かるものね。
 
なお旅行当時(2022年8月)は日本語の場内案内が消えていた。確かに日本人は来れていないし仕方ない。
今後復活してほしいけど、円安で大勢気軽に来られないからどうだろう。

ここに来たのは何度目になるだろうか。数えてないけど東京国立博物館より多く来ているのは確か。
今回はリーマン・トリロジーで知ったRobert Lehmanのコレクションを見てみようという目的があった。



 
吹き抜けを囲むように作品が並ぶ。紫外線とか大丈夫なのかな?
 
ドクロとかダークな絵が目につく。
もし限られた枚数しか買えないのなら自分はこんな暗い絵はパスだけど、お金がいっぱいあれば色々コレクションしたくなるんだろな。
 

教科書でみたことのある絵。これもボビーが買ったのかな?すごい目利きだ。
...と、ゴーゴーを踊るロバート・リーマン役のアダム・ゴドリーさんの姿が目に浮かんだ。


他には特別展としてKIMONO STYLEが開催されていた。
 
伝統的なものから近代デザインの着物が並ぶ。
 

森英恵さんデザインの着物ドレスも展示されていた。
こちらを拝見したすぐ後に訃報を知った。御冥福をお祈り致します。
 
他にはアジア諸国の展示をのんびりと回る。
こちらは中国の十二支の神様。ついつい、子丑寅卯辰巳~と唱える様に数えてしまう。
 
これは「王家の紋章」でキャロルがぶっ壊したアッシリアの像だよね。
 
 
あ、これこれ! メガヒヨが富豪になったとしたら買いたい油絵がこんな感じ。
美術館の絵でいっぱい細かい絵が描かれていてお得!! (こんな発想な限りお金持ちにはなれません)
 
あとはちょっと変わった展示として、古代の彫像が色のついたオリジナルの状態だとどんな感じかってのをやってた。

ふーん...。


ほう。こんな感じだったんだ...。
てか、どっかの村祭りの山車にこういう像がのってたりするよねぇ。
白い大理石がむき出しになった方が神聖に感じるといったら、身も蓋もない。

あ、でもこの像の色彩はいけてる! なんかミケランジェロのバチカンスイス衛兵みたい!
古代にこんなデザインの服があったんだ。
 

さて。METから戻り一休みしたらMoulin Rouge!のお代わりへ。本日も19:00からの開演。
というか19:00始まりって増えたね。

 
今回はJ列なので風車も象さんも余裕で見える。
細長い鳥かごのようなポールで開演前にダンサーさんのパフォーマンスがあるので、早めに劇場に着くことをおすすめ。
ただダンサーさんが出てきたら撮影は禁止。
この度自分の前の席のお客さんが象側のダンサーさんの写真を撮りまくっていた。禁止って知らなかったのかな?
一枚程度なら見逃しだったろうけど、あまりに酷いのでダンサーさんから指差し注意されていた。
それでも止めなかったので劇場係員の方がとんできた。

一度は座ってみたいカンカンシートはこんな感じ。完全にステージに囲まれる訳でなく出入口はあるのね。
自分は閉所恐怖気味なのでこれならいけそう。(Xanaduみたいなステージ席はまずダメなもので)
ただ俳優さんを間近で観られるけど、いろいろ死角も多そうだよね。数度目の観劇ならいいかも。
帝劇ではこの席作られるのかな? まずチケット争奪戦で無理だろうけど。
 
さて本日は二度めの観劇、しかも良席でいろいろ観られる余裕があった。
以下しつこくレビューしていくよ!(ネタバレあり)
 
Welcome To Moulin Rouge!
華やかなナンバー。先陣を切るのは四人の歌姫の一人アラビア(Tasia Jungbauer)。声量が半端ない。
東宝のオーディションだとミステリアスな役どころとあったけど、よく笑顔をみせるし明るくて性格よさそう。
ショコラ役のJacqueline B. Arnoldさんは抜群の安定感。この役を日本で演じる女優さんって現在一人しか思い浮かばないけど、新しい人を発掘するのかな?
トランスのベビードール(Jeigh Madjus)は、Let's Danceのところで男性ダンサーを大勢率いて踊るところが可愛い。

Nature Boy
映画ではお茶目なおじさんだったトゥールーズ(Bobby Daye)がクリスチャンを導く賢人になっている。
愛し愛されることこそこの世で一番素晴らしいことという言葉の影に、サティーンへの報われない想いが隠されていることが切ない。
二幕になるけど、トゥールーズが病が進行したサティーンに「I will make you immortal」と制作中の芝居を最高のものにすると誓うシーンがあった。
 
そうなんだよね。役者さんの命は残念ながら限りがあるけれど、その生み出した感動は観客の心に残って余波を発し続ける。まさに不朽の存在。
そのトゥルーズに「My genius」と返すサティーン。男女の絆はなくても尊い二人の関係にじわりときた。
 
Elephant Love Medley
一幕ラストでフライングでくるくるするのって前任者はKyleくんだったんだよね...。
今の俳優さんには申し訳ないけど、開演前の象サイドのパフォーマンスもこのシーンもKyleくんに補正して見ていました。
(2020年観劇をつぶした憎きコロナ! あと推しは観られるときに見ねば!!)
 
Backstage Romance
CDを聞いていたときはKiss Me Kateみたいに完全にダンサーさんたちだけのナンバーかと思いきや、一目をしのんで逢瀬を重ねるクリスチャンとサティーンの見せ場だったのね。見ていて胸がいたい。
パンデミック最中、Kyle Brownくんがオンラインダンス教室でここのアンサンブルの振付を手ほどきしてくれたことがありました。
(5,6,7,8からアイウォンチュアラブまでのくだり)
メガヒヨも見学参加したけど深夜じゃなきゃ一緒に踊りたかった!!
今から思えば貴重な機会! メジャーリーグの選手がオンラインで野球教室してくれるようなものだものね。
 
Only Girl In A Material World
映画だと三枚目みたいだった公爵がかなりの切れ者だった。
日本だとジャベールを演じているような役者さんがキャスティングされるんじゃないかな?
サティーンがアンサンブル男性らにリフトされながらドレスのファスナーを下されてしまう所もドキドキだった。
これはサティーンはある程度成熟した女優さんに演じてほしいなぁ。頂点に立つ女性の自己犠牲だから。
少女めいた女優さんだとロリータというか犯罪の匂いになって落ち着いて見ていられない。
 
Chandelier
Green Fairyの瓶が出てきた途端に観客大爆笑!!
映画だと冒頭でしょーもないボヘミアンの描写で描かれる、お笑いポイントのラリった面々と緑の妖精。
舞台では、クリスチャンが思い詰めすぎてサティーンを幻にまで見てしまう切ないシーンになっている。
ブルーフェアリーもそうだけど、大人の女性が妖精の羽根を背負っているのってセクシーだよね。
 
Crazy Rolling
映画のShow Must Go Onに相当するナンバー。
クリスチャンのぶち切れが怖い。
映画も相当だったけど、サティーンの寿命を削りまくりですな。
 
More More More!
観客も一緒に歌って大盛り上がりのアンコール。
一日目はマスクなしに歌いまくるお客さん達にドン引きしていたメガヒヨ。陰性証明を勝ち取って帰りの飛行機が確保された今夜は歌いまくり。
Broadwayの観客は上演中は役者さんから煽られない限り手拍子などはせずに、アンコールで思う存分盛り上がっている。
 
これ来年の東宝版だとどうするんだろね。客席の歌唱はまだ解禁できなさそう。
理想は上演中は手拍子を自粛要請して、このシーンでのみ解禁にすることですな。
 



大ラスはジドラーが仕込み杖で〇〇して、会場はハート型の紙吹雪が降りまくる。
SIXでも感じたけど、やっぱり紙吹雪はいいね。テンションが上がる。
 
自分がこの作品を気に入ってリピートしたことをKyleくんも喜んでくれたみたい。
SNSでMoulin Rouge!に関する写真にイイネを多くくれたので。
確かにワークショップとトライアウトから関わった作品だからより思い入れがあるのだろうね。
いつになるか分からないけど次回のBroadway旅行でもこの作品を観たいので、末永くロングランして欲しいのであった。

2022夏Broadway 4日目月曜日

2022年09月19日 | NEWYORK

怒涛のシカゴデイトリップから一夜。

本日は帰国に向けて、搭乗72時間前PCR検査を受ける日。

午前はのんびり寝坊をして過ごす。というか感染リスクを少しでも少なくするために外に出ない。
本当に勿体ないと思う。今までのNY旅行ならあちこち出かけられたのに。

検査を受けたのは日系旅行会社のあっとニューヨークさん。
セントラルパークにほど近い8th Avenue沿いという便利な立地。検査代金は190ドル。
英語で受けるのならもっと安く済ませる手段もあっただろうけど、日本語対応、陽性の場合のフォローもあるということでこちらに決めた。
対応して下さった方も親切で、次は検査でなく楽しいツアーでお世話になりたいと思った。

検査を受けたのは14:00頃、すぐに終わったので今晩のショーのチケットを買いにTKTSへ。
オペラ座の怪人かCHICAGOを観ようかと思ったのだけれど、KINKY BOOTSがプレビュー期間につき月曜夜もオープンしていることに気が付く。
残席状況を調べると中央前方が空いている模様。TKTSではなく窓口で購入しようと劇場に行ってみたところ、その良席を手に入れることが出来た。
紙のチケットか電子チケットか、窓口で聞かれたけど前回の2019年から色々変わっているなぁ。

ここで本日はちゃんとした食事をとっていない事に気づく。
通りがかった中華屋さんでビーフンをいただく。
思えばチップを払うお店で食事をしたのは今回の旅行ではここだけだったかも。



そして夜。19:00の開演に向けてSTAGE 42へ。
文字通り42丁目、9AVと10AVの中間に位置する。ここはオフの劇場だけど2F席もあり、それなりの大きさできれい。



客席でスマホの電源を切ろうと取り出したら、PCR検査の結果が来ていたことに気づく。
結果、陰性!!!!
これでショーを心置きなく楽しめる。



KINKY BOOTS

STAGE42

8月15日月曜日 19:00開演

オーケストラD列109 119ドル



言わずと知れたCindi Lauperによる大ヒットミュージカル。
Broadwayで一度クローズしたものの、スケールダウンをしてオフにて再開。
とはいえ子役がいなくなり、本役チャーリーがティーンエイジャーとしてオープニングナンバーに出る(ローラの子ども時代はカット)以外は、変更に気が付かなかった。


さすが作りこまれた作品。一曲一曲ごとにお客さんは大盛り上がり。
中だるみもなくどんどん展開していく。
チャーリーと恋仲になるローレンの持ち歌が一曲だけだったのに改めて驚く。その一曲だけで十分存在感を示していたので。

エンジェルズの皆さんも豪華な衣装と華麗なダンスで目の保養。
今までオリジナルキャスト、来日版、日本版と観てきたけれど、今回のエンジェルの皆さんは多様性に富んでいた。
スーパーモデルみたいな方もいれば、ぽちゃ子もいる。それぞれ個性を発揮していて魅力的だった。

今回こんなにいい席でKINKY BOOTSを観られたのは初めてだったのでようやく気が付いたのだけれど、ローラのメイクの変遷は初登場のフルバージョンと工場初出勤のノーメイク、一幕最後のつけまつげ有りバージョンと三段階あったのね。(もっと細かくステップがあるかもだけど。)

男性の恰好で工場に現れるシーンについては、ツルンとしすぎて余りに無防備でびっくりしてしまった。
ローラ役のCallum Francisさんの女装姿があまりにもゴージャスだったので。
ちなみにBilly Porterさんはこのシーンでメガネをかけていたけれど、Callumさんはなし。

Callum Francisさんのローラはダンスも歌も最高で、Broadway版と比べてもまったく遜色なかった。
すらりとしたスタイルなので舞台でとても映えるし。

他のキャストの方々も素晴らしく、この舞台をオフのチケット代でしかも至近距離で観られて大変お得だった。
オフに来るとだいぶ変わってしまうとたまに聞くけれど、現在のこの作品に限ってその様な事はない。
是非おすすめしたいのであった。


...と、プレイビルを確認しながらここまで書いていたら、ヤングローラがクレジットされているのに気がついた。
でも出ていなかったよね...。プレイビルにその子役さんの写真も無いし。
ローラだけ子役を出す予定が取り消しになったのかな?プレビュー期間だったし。
リハーサルにも参加していただろう子役さんの事を思うと少々複雑ではある。

The Devil Wears Prada, The Musical ミュージカル 『プラダを着た悪魔 』

2022年09月11日 | NEWYORK
プラダを着た悪魔
シカゴ James M. Netherlander Theatre(東洋劇場)
8月14日日曜日 14:00開演
オーケストラC6 (1F上手中央寄り3番目)
チケットマスターにて購入 110ドル+手数料


 
2006年公開の映画をElton John作曲にてミュージカル化。
2015年の制作発表から2020年の公開延長を経て、満を持してのワールドプレミアである。
 
シカゴはブロードウェイよりマスク規定が厳しいのか、着用していない人には入り口で手渡していた。
それでも着けていない人はそれなりにいたけど。(そして特に注意もされていなかった。)

Elton John卿作曲による大ヒット映画のミュージカルということもあり、劇場は老若男女で満席。
緞帳はファッション雑誌の草稿を模したデザイン。期待に胸が高まる。
しかしこの作品は、自分が思い描いていたものとは違ってた。
 


 
一幕はニューヨークのRUNWAY誌編集部での主人公アンディの成長、二幕ではパリコレクションでの出来事が展開される。
アンディと編集長ミランダの二人を軸にして展開された映画版とは違い、舞台版ではその他の人物にも時間を割いているので散漫な印象を受けた。
 
なお今回はトライアウト上演につき、プレイビルに歌のタイトルが記入されていなかった。
Dress Your Way Up以外の歌のタイトルが分からないので、《》内にメガヒヨが考えた仮のタイトルを入れておく。
 
開幕。
主役アンドレア(以下、愛称アンディ)の登場。
ブレザーにチェックの膝上スカート。まるで学生の様。
彼女の背後からカツカツカツとハイヒールの音が鳴り響く。
編集長ミランダの靴音と思いきや、数10センチ開いた幕の向こうにはランウェイを闊歩するモデル達の脚が見える。
 
場面転じてアンディの卒業式の光景。恋人のネイト、友人のカイラとローレンと写真に納まる。
友人の一人が映画版のゲイっぽい男性からクイアっぽい女性に変更しているが、話の筋に大きな影響はなし。
ちなみにローレンは原作小説の作者と同じファーストネーム。
 
社会に出たアンディはなかなか職が決まらない。《就職が決まらない歌》
多くの会社からか断られたのち、就職エージェントからファッション誌RUNWAYへ紹介される。
編集部に面接に訪れると、対応したのはミランダの第一アシスタントのエミリー。
アンディのあか抜けない服装を一瞥するや、まともに相手にしない。
 
そんななか一同がざわつく。ミランダが社に到着したのだ。《ミランダをお迎えする歌》
彼女を迎える準備で社内は大わらわ。
エミリーと芸術部門責任者のナイジェルが歌い、アンサンブルが電話コードに絡まるなど滑稽なダンスを繰り出す。
正直これはおちゃらけ過ぎだと思った。
先ほどまでクールに振舞ってきた人々がミランダの機嫌を損ねないように怒涛の支度をするだけで十分面白いのに、お笑い要素を過剰に入れている。
 
編集部一同に出迎えられ、女帝ミランダの登場。《ミランダ登場の歌》
弦楽器ピチカートのみによる演奏で、ささやくように粛々と歌う。
演奏は進むにつれて楽器数も増していくものの、歌のペースは最後まで変わらず。
映画版でのエネルギーを使わない話し方を再現しているのだと思うけれど、ミュージカルなのだからもっと盛り上がる曲を聴きたかった。
 
不採用かと思いきや、ミランダの気まぐれで採用されたアンディ。
政治記者を志す彼女はファッション雑誌勤務を踏み台としか考えておらず、服装も依然と学生の様な恰好で勤務している。
 
対照的なのはエミリー。
ファッションに命を懸けており、夢はミランダに帯同してパリコレクションに行くこと。《パリに行きたい歌》
WICKEDのグリンダのようなゴンドラに乗り、おふざけのバレエダンサー男女2組まで登場してかの地への夢を語る。
ここでもやり過ぎのお笑い演出。ひたすら滑っている印象。
エミリーはど真面目にファッションオタクを貫いていて、その様だけで笑いを誘えるのに。
第一彼女はRUNWAY誌編集者としてパリに行きたいのであって、おのぼり観光客としてでは無い。
エミリー役がアジア系の女優さんのせいか、甲高い声で歌わせている事もあり「ステレオタイプキャラ?」という疑念が頭をよぎる。
 
編集部で浮いているアンディの様子を見るにみかねて、ナイジェルはハイヒールを差し入れる。
映画版ではミランダの視線に気が付きぺたんこ靴から慌てて履き替えるが、舞台のアンディは余計なお世話とばかり迷惑そう。
自宅に持ち帰りそのまま放置してしまう。その上同棲中の彼に愚痴をこぼす始末。
 
どうも舞台のアンディを応援出来ない気持ちに気が付く。
映画版と違い、それほど苦労している描写がないのだ。
毎朝机にミランダがコートとバッグを叩きつける描写も無し。
ミランダ邸にサンプル誌を届けに行き、双子からちょっかいを受けるシーンも無し。
大荒天のなか全ての便がキャンセルなのにチケットを手配せよといわれる無理難題も無し。
開店前のステーキ店からランチを調達、だけど結局要らなかったという残念結末も無し。
出版前のハリー・ポッターの原稿を入手し、コピーして双子に届けるほとんど犯罪命令も無し。
 
せいぜい両肩に紙バッグをかけられて荷物を持たされたり、遅刻をエミリーに咎められコーヒーを引ったくられる程度。
これならうちの会社の新入社員の方が苦労しているってば...。
 
ミランダのキャラクターも、もっと深く掘り下げて欲しかった。
第一あの双子が出てこない。セリフの中で娘について語っている様子はあったけれど、エピソードが無ければその溺愛ぶりは伝わってこない。
ファッション業界で周囲に厳しくあたる一方、双子は徹底的に甘やかしている。
その理不尽さ、そしてそれを周囲が受け入れているのが彼女の大きな要素なのに。
 
これでは舞台版のミランダは「プラダを着た悪魔」ではなく、「プラダを着た常識人」止まりである。
思うに演出側がミランダをファッション業界の女帝として祭り上げる神輿を用意できなかったのではなかろうか。
映画版のMeryl Streepさんは卓越した演技力もあったけれど、脚本、演出があってこそあの超人ぶりが成立したのであった。
この舞台ではBeth Leavelさんという大女優を迎えても、それらの準備がとぼしいので十分に光を放ってもらうことも難しかったと思う。
 
映画版からカットされたシーンは多けれど、それでも青いセーターのシーンは残っていた。
ミランダがモデルにベルトをつける様に指示するところ、コーディネーターは二本のベルトを手に「タイプが違うからどちらにしましょう」と問う。
二本のベルトが全く同じように見えたアンディは思わず笑いをこぼす。凍り付くその場。
ミランダはファッション業界を見下しているアンディを見抜き、彼女の着ている青いセーター(舞台ではカーディガン)の色がどの様にして流行色となり、最新コレクションから大衆まで行き渡る様になったのかを語る。《アンサンブルのハミングに乗せて、青いセーターについてミランダが説明するナンバー》
 
多少は反省したのか、ジャケットにベルトを合わせる様にしたアンディ。だけどあか抜けない様子で周囲からは見下されている。
ここでナイジェルに泣きつく。せめてあのハイヒールを履いて行けばいいものの、ぺたんこ靴のまんま。
 
それでも海の様に心が広いナイジェル。アンディをサンプル室に連れて行き、服をコーディネイトする。《Dress Your Way Up》
このナンバーはElton John卿も自信作なのか、舞台開幕前に一部を公開している。
自分も他の曲は記憶から薄れつつあるけれど、この曲だけば未だに頭のなかでぐるぐる再生している。
 
学生のような服装から、鮮やかなオレンジのスーツに着替えたアンディ。髪型までセットされて一気に洗練した様に。
外見に自信を持つことが出来た彼女は、突然仕事が出来るようになる。今まで馬鹿にしていた同僚からも一目おかれる位。
 
一方仕事は忙しくなり、彼氏とのデートにも遅刻する様に。やっと彼氏に会えたと思った瞬間にもミランダからの呼び出し電話は鳴り、気まずい雰囲気に。
《アンディが忙しくなり淋しがる彼氏の歌》《アンディが忙しくなってつれないと残念がる友人二人と彼氏の歌》
悪くはないんだけど...。
物語におけるキャラクターの比重を考えると、独立した持ち歌をこのキャラクター達に歌わせるのは時間の割きすぎだと思った。
せめて曲の最中にアンディの激務シーンも絡めれば有りだったかも知れないけれど。
 
有能ぶりを発揮し急成長するアンディを、ミランダはエミリーと共にファッション・ガラに連れていく。《ファッション・ガラのダンスブレイク》
そしてエミリーが席をはずしている間にパリコレクションに帯同させるのはアンディだと告げる。
動揺する彼女に対し、ミランダは更に「エミリーには、パリに行くのは自分だと直接話しなさい」と申しつける。
アンディ、さらに驚愕。
「パリ行きを心の支えにしているエミリーになんて言ったらいいの!?」
 
ここで第一幕終了。
 
メガヒヨは客席でぽかんとしていた。
いや、エミリーは主要キャラだろうけど、幕をはさんでの葛藤を抱かせるほど重要な役なの!?
だいたい普通に考えると、エミリーに打ち明けるジレンマより、パリ行きの方が心に大きく負担が掛かるよね。
一幕を区切るとしたら、パリ行きを告げられるところの方が相応しいんじゃないかなぁ。
で、二幕は同じシーンから再開して、更なる宿題としてエミリーに自ら告げるというというストレスがのしかかる方が良さそうな...。
 
まぁ素人が客席でうなっていても仕方がない。
気を取り直してこの劇場の雰囲気を楽しもうと、この歴史あるJames M. Nederlander Theatreの内装を堪能した。
 







東洋劇場と呼ばれるだけあって、インド風のレリーフで飾られた内装は一見の価値あり。
シカゴを訪れたら演目が何であれ、この劇場に足を運ぶことをお薦めしたい。
 
そしてせっかくはるばる観に来たのだからTシャツも購入。
Dの字にツノが生えているロゴのデザインが良かったのだけれど、売られているTシャツは頭文字のDWPのみ、そして背中にはNot For Fashion Weak(ファッション情弱には用無し)と書かれたもののみ。
なんでロゴTでは無いのだろうかと考えたけれど、Pradaという商標が引っ掛かったのかな?
でも多分このTシャツは限定もののお宝になる可能性があるので、着ずに取っておこうかと思う。


 
休憩が終わって第二幕。緞帳のデザインも変わっている。
おどろおどろしい髑髏などの地獄絵。
だけど舞台版のミランダはこんなに怖くないのにね。
 
 
幕が上がると交通事故に遭って入院をしているエミリーの姿。男性看護師にかいがいしく世話をされている。
パリ行きがおじゃんになり、空想の世界で歌って踊る彼女。《パリに行けなくて残念な歌》
ここでも病院のガウンを脱ぐとエッフェル塔がプリントされたボードを胸に掲げた衣装になるなど、不必要に笑いを狙う演出だった。
Megan Masako Haleyさんは芸達者なので出番を沢山つくりたい演出の意向は分かるのだけど、このナンバーは必要ないと思った。
 
一方アンディ。
舞台両脇にあったはしご状のセットが斜めに倒れてきてエッフェル塔の脚部分になり、場面は一気にパリの様子に。
衣装も黄色いドレスでフォーマルに決めている。
コレクション会場ではカメラマンに囲まれたミランダが、アンディも一緒に写真に納まるようにと言う。
カメラマンもアンディ一人でのショットを依頼するなど、その立場は確実に上がっている。
 
憧れの作家であるクリスチャン・トンプソン氏にも声を掛けられる。彼氏と距離を取っているアンディは「キャー💕」とばかりにのこのこついていく。
そしてワンナイトスタンド。
アンディはトンプソン氏からミランダの左遷を聞く。
RUNWAY誌の新しい編集長にはミランダの宿敵のジャクリーヌが就任するというのだ。
ここで一大決心をし、ミランダにそのことを伝えるために奔走する。
(ここら辺の記憶があやふやで申し訳ない。トンプソン氏のソロナンバーがあったことは確か。)
 
そしてミランダ主催のディナーパーティー。
結局ミランダに真実を伝えられないままになってしまっていた。
ここでミランダが発表したのは、ナイジェルに内定していたブランドの責任者にジャクリーヌを任命するというもの。
盛り上がる会場をよそにナイジェルは意気消沈する。
お開きになったパーティー会場で彼を慰めるアンディ。
ここでもうやっていられないと、ミランダからの呼び出し音が鳴るスマホをテーブル上の水差しに沈める。
 
...水差しねぇ。この場面が始まったときからやたら大きな水差しだなと目には入っていたけれど。
映画ではパリの夜景をバックに噴水にケータイを水没させたのであった。それはある意味、映画そのものを象徴する光景だった。
もちろんパーティー会場で決着を付けた方がスピード感があっていいのかも知れない。
それでも景色として噴水は見たかった。一幕のゴンドラは要らないから、その予算で作れたじゃん!!
 
客席でもやもやとする内に舞台はニューヨークへ戻る。
アンディはエミリーに直接会い、辞職したことを告げる。そしてパリコレで着た服を彼女にプレゼントすることも。
そつなくしていたエミリーだが、アンディが去るなり喜びを隠さず。これは映画の通り。
 
その後アンディは希望していた政治記者の仕事に就くことが出来た。そこの上司からはこの採用にあたりミランダからの推薦があったことを聞かされる。
イメージとしてのミランダが出てきて「もし彼女を雇わなかったら貴方はIdiotよ!」と述べる。
 
そして終盤へ。
登場人物が友人二人・彼氏・作家氏・ナイジェル・エミリーと総出でワンフレーズずつ歌っていく。《みんなに満遍なく出番を作る歌》
いや、その手法は群像劇ならではであって、プラダを着た悪魔は二人の登場人物が中心なのだからアンディとミランダのデュエットにするのがふさわしいのでは!?
CHICAGOのNow A Daysとか、WICKEDのFor Goodみたいなのとか。
まぁこういう所からして、制作の作りたいものと自分が観たいものの乖離があったのかも。
 
最後は桜の咲く中、ミランダを想いながらパソコンに向かうアンディの姿で幕となる。
うん、桜のセットと照明効果は綺麗だった。
 
 
以上、コレジャナイ感に包まれつづれたプラダを着た悪魔全二幕でありました。
 
この舞台の評判はやはり良いもので無いらしく、大幅な改変が必要とされそう。
 
自分はこのドタバタ演出は言うまでもなく、脚本・衣装・振付に大幅なメスを入れたいと思った。
脚本については、細かいところは英語を理解出来て無いので批判する資格は無い。ただアンディとミランダ二人の描写に絞り切れずに他の登場人物に多くの尺を割り当てた所は改善してもらいたい。
 
衣装については、どこかで見た様なものばかりで新鮮味に欠けていたという所。
全体としておとなしく、サプライズの要素が無かった。実際のファッションシーンに寄せていたのかも知れないけれど、これはミュージカルなのだから多少現実離れしていても良いのでは?
他作品のファッションショーを模したシーンでは、キンキーブーツのエンジェルズ、アイーダのマイストロンゲストスーツなどあるけれど、どの作品も衣装デザインで観客に大きなインパクトを与えている。
一方この作品は、Dress Your way up、ファッション・ガラ、パリ・コレクションと見せ場が3度も有ったのに、印象に残るコスチュームはほとんど無かった。
せいぜいアンディの衣装の袖が蛇腹状に広がったところで拍手が起こった位。それでも今まで他の作品で見た仕掛け衣装に比べればささやかなものだった。
ファッション誌編集部を舞台にしたこの作品で、衣装で観客を惹きつけられて無かったとしたら問題では?
 
振付に関しては、Kyle Brownさんの無駄遣いと訴えたい。心に残るダンスシーンが無かった。
これも衣装と同じくどこかで見たものばかり。独創性を感じなかった。
あと振付家の責任では無いけれどミランダ主催のディナーパーティーの後、何度も舞台上を往復してテーブルを片付け続ける彼の姿を見て胸が締め付けられた。
一流のダンサーに何をやらせているんだか。アンサンブルの役者さんがセットをさりげなく片すというのは多くの作品であるけれど、限度を越した数だった。
あれだけテーブルがあるのならリモコンか何かで動かせばいいのに。
 
制作側には不満タラタラだけれど、役者さんは総じて良かったと思う。
 
アンディ役のTaylor Iman Jonesさん。この方は歌声がとにかく素晴らしい。よく通る声は響きも心地よい。
 
ミランダ役のBeth Leavelさんは二幕ではビッグナンバーを見事に歌われていたので、あれだけの歌唱力をお持ちなら一幕において見せ場がもっと欲しかった。
先述の通り、キャラクターがよく掘り下げられた脚本だったら更に光を放っただろうと思う。
 
エミリー役のMegan Masako Haleyさんは以前にGeorge TakeiさんのPacific Overtureのたまて役で拝見していたので、今回の舞台でも楽しみにしていた。
華がある女優さんなので出番が増やされたと思うけれど、短い出番でも十分エミリーとしてインパクトを残せると思う。
今後違った形でこの作品が上演されてもエミリー役で出てもらいたいと思った。

ナイジェル役のJaviel Monozさんは以前に拝見したハミルトンのタイトルロールとは全く違う印象。
心優しい職人気質のゲイ男性役を見事に演じていた。Dress Your Way Upのナンバーも歌唱は大盛り上がりだった。
この役に関しては作り直しでも変更は要らないのでは?
 
そして自分の推しのKyle Brownさん。
Anastasia以来4年振りに拝見したけれど相変わらず若く、ゴージャスな外見。長い手足を駆使し、強い体幹でしなやかに踊る。
Taylorさんをリードしてのダンスシーンなど、見せ場は彼が決めていた。
あといっちゃ何だけど、おふざけバレエのメンバーに彼が入っていなかったのは救いだったかな。
 
他のキャストの方々もそれぞれの役割を立派にこなして、さすがショー立ち上げの役者さん達だと思った。
 
Elton John卿はこの作品は準備不足ということを公に認めたとのこと。
自分もワールドプレミアという名のトライアウトを初めて観たので、今回はよい経験だった。今までBroadway入りした完成品しか観たことがなかったので。
それでもDress Your Way Upなどはお蔵入りにするには勿体ない。演出に脚本や振付、衣装などブラッシュアップしたバージョンで是非Broadwayで観たいと思うのであった。




2022夏Broadway 3日目日曜日 シカゴに日帰り

2022年09月11日 | NEWYORK

土曜日のソワレは上演時間の短いSIXをチョイスしたのには理由があった。

日曜日は、プラダを着た悪魔のミュージカルを観るためにシカゴに日帰りで行くことになっていたのだ。
ホテルを朝5:00に出発し、ラガーディア空港発8:00の便に搭乗。時差が一時間あるシカゴに9:30に到着し市内に移動。
そして14:00開演のミュージカルを観て20:15発の便でニューヨークに戻るという強行軍である。

メガヒヨ無茶しやがって...といった感じであるが、すべてはPriscillaの頃から追っかけているKyle Brownさんを観るためである。
Priscilla, Anastasia, Moulin Rouge!と数々のブロードウェイ作品のオリジナルキャストとして第一線で活躍しているダンサーアクター。
Broadwayの舞台に立つだけでも非凡なのに、オリジナルキャストの常連に入るのはさらなる精鋭。
ショー立ち上げ請負役者、オリキャス番長と呼んでいるのはナイショである。
今度はElton John卿の新作ミュージカルのワールドプレミアにご出演ときた!  渡米中のファンとしては観に行かない理由がない!!
しかもプラダを着た悪魔は大好きな映画。期待は高まるばかりだった。

シカゴに行く前く夜。SIXの劇場から戻りシャワーを浴びて床についたのだけれど、メガヒヨは興奮しすぎて一睡も出来なかった。
楽しみすぎるのと飛行機に乗り遅れたらという不安で、交感神経がバックバクだったのかも。こんなの子どもの頃にディズニーランドが楽しみすぎて眠れなかった以来である。

朝4:00。身支度のためにベッドから起き上がった。「あーあ、よく眠れた~」など伸びをして自分の脳に寝不足でないと暗示を掛ける。
5:00。まだ暗いなかホテルからタクシーに乗ってラガーディア空港へ。



自動チェックイン機から航空券をもらうも、席番号には「SEE AGENT」と書いてある。すごく嫌な予感がした。
ネットで検索してみると、該当の便が満席のために優先度の低い客は搭乗口の係員に交渉しなくてはならないとのこと。これはショック!!
空港で朝ごはんを食べるつもりがそんな心の余裕は無くなり、搭乗口に航空会社職員が来るのをひたすら待った。

出発の一時間くらい前に職員さんが来て、何とか座席をゲット。それからフードコートに戻る気力もなく、非常食用に持ち歩いていたチーズかまぼこで朝食を済ます。
それにしても早めに空港に来ていたから良かったものの、ギリギリだったら飛行機に乗れなかったかも。

シカゴ行きのユナイテッド航空は順調に定刻どおり離陸し、オヘア空港に到着した。
メガヒヨは3年前の2019年にシカゴに来ていたので少々の土地勘は有り。空港から電車に乗って市内に向かった。

一時間ほどで市内中心部に着いた。地下にあるWashington駅から地上に上がると、目の前にJames. M. Nederlander Theatreがいきなり見えてびっくり&感激!!

ただBroadwayと違い、Box Officeのオープンは11:00からの様。当日券目当てのお客さんが並んでいる。
自分はチケットマスターで予約済みなのでピックアップは後でも大丈夫。まずはステージドアの位置を確認することにした。

今回は積極的な出待ちは行わないものの、差し入れ位はしたい。このご時世だから口に入れるものではなく、お花とカードで。

前回シカゴに来た時にTargetの1Fに花売場があったのを覚えていたので、花束はそこで難なく入手。





ステージドアでも親切なスタッフさんが花束を預かってくれて、ヲタとしてのミッションは無事クリアできたのであった。

あとは軽い食事をとったり、付近をぶらぶらして開演時間を待った。(筆者代理:ふろしき文鳥さん)







もっと時間があればシカゴ美術館も再訪したかったし、遠くに見える謎の建造物も行って見たかったけどね。
いつかまたゆっくり訪れたい。
 
開演時間が近づいたので劇場へ。
以下、作品について語ったら長くなったので別トピックをUPするね。
The Devil Wears Prada, The Musical ミュージカル 『プラダを着た悪魔 』 - メガヒヨの生息日記

The Devil Wears Prada, The Musical ミュージカル 『プラダを着た悪魔 』 - メガヒヨの生息日記

プラダを着た悪魔シカゴJamesM.NetherlanderTheatre(東洋劇場)8月14日日曜日14:00開演オーケストラC6(1F上手中央寄り3番目)チケットマスターにて購入110ドル+手数料2006年...

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二時間半の上演が終わり、幕。
終演後にもしKyleくんに会えたらプレイビルにサインだけでも欲しいなぁと思っていたのだけれど、前方席につき退出に時間が掛かってしまった。ステージドアにたどり着いた時には彼は帰ってしまった後だった。
まぁそれで良かったかも。コロナは下火になったとはいえ、ファン対応に慎重な役者さんも多いし。
お花についてFacebookでお礼の言葉もいただけたし、また会える機会を楽しみにしていきたい。
今回の旅行でステージドアに行ったのは唯一このショーだけなのだけど、熱心なファンはコロナ前と変わらないノリで役者さんにサインを求めたり称賛の声を届けてていた。
自分もアンディ役のTaylor Iman Jonesさんにサインを頂けた。とても感じの良い方だった。


劇場からすぐ近くの公開スタジオでニュースの収録をしていた。

さて、ニューヨークに戻ることに。
行きはオヘア空港だったけれど、帰りはミッドウェイ空港を利用。こちらの方が市内からは近い。
オヘア空港からはブルーラインで1時間弱で5ドル、ミッドウェイまではオレンジラインで30分ほどで3ドルとお得。
ただ券売機と改札の調子が悪く、電車を一本見逃してしまった。改札の戸が開かなかったときは親切な人がこじ開けてくれた。感謝。
そうそう。あと駅の同じホームからは様々な方向の電車が通っているので、乗車には行先の確認が必要。




 
ミッドウエイ空港はオレンジライン終点のミッドウェイ駅で降車し、渡り廊下を数分歩く。
行きはユナイテッド航空だったけれど、帰りはサウスウエスト航空。
また座席が無いという扱いは嫌なので、朝のうちにオンラインチェックインをしたのだけれど座席はなんと搭乗時の先着順だった。
あらかじめチケットのクラス、会員のステイタスで搭乗順のグループが分けられ、席は確保したもの勝ち。
ある意味合理的だなと思った。
 
飛行機に乗れることが確約されたので、空港フードコートで自分へのお疲れ様会ということでピザとビールでお祝い。
本当はディープなシカゴピザが食べたかったけど、売っているお店が見当たらなかったので普通のピザで。



(これが3年前食べたシカゴのディープピザ。ボリュームたっぷり!)

ニューヨークに戻る2時間ほどのフライトは気圧で耳が痛かったけれど無事到着。
ラガーディア空港に着いたときには午後11時半くらいだった。
 
空港バスも運行していない時間帯で、タクシーは長蛇の列。
係員の人がバッグ一つの自分をみて「タクシーは乗車に30分以上かかるし、道も混んでいるよ」と公共交通機関の利用を勧めてきた。
いや、こんな時間に地下鉄なんて怖すぎるってば。
タクシーの列は意外とすいすい進み10分ほどで乗れたし、道も深夜でスムーズだったので行きの52.95ドルに対し38.42ドルで戻って来られた。
ホテルの部屋に戻ったときには疲れが一気に襲ってきた。海外旅行は3年振りなのに、飛行機に乗ってデイトリップしちゃったからね。
 
以上、メガヒヨ真夏の大冒険である。
プラダを着た悪魔には複雑な感想を抱いたけれど、実際に観に行って良かったし、ブラッシュアップしてBroadway Openということになれば嬉しさもひとしおだと思う。その日を楽しみにしていきたい。

2022夏Broadway 1日目金曜日

2022年08月29日 | NEWYORK
※写真において筆者代理として、もしもしこちら文鳥のふろしき文鳥さんに登場してもらっています。

8月12日金曜日メガヒヨは羽田空港からニューヨークに飛び立った。
飛行機内はお盆期間とも思えないほど日本人の数が少なかった。ぱっと見、三割程度。
3列シートで自分の隣に座ったのは東南アジア系のカップルだった。おそらく日本を経由地としてJALを利用したお客さんではないかと。
そりゃあ日本在住者はコロナ陽性だと帰りの飛行機に乗れないとなれば、大抵の人は旅行を躊躇するよねぇ...。

乗継のお客さんを待って出発が30分遅れたのだけど、飛行機はなぜか定刻より早く到着。
安全運転を心掛けつつ早く着きましたという機長さんのアナウンスはウィットが効いていた。

イミグレはかなりの大行列だった。
アメリカの入国書類がキオスク(入管受付の機械)だと不要になったとは聞いていたけれど、ニューヨークはすべて対面式。
以前あったキオスクは撤去されていた。そんなんで以前はイミグレの入り口にあった入国書類を探したのだけど見あたらない。
不安を感じつつ列に並んだ。必要なら機内で配られるよね...。

一時間ほど並んだあとようやく自分の番が近づいてきた。
二人ほど前には髪をカラフルに染めたお嬢さんが、オフィサーから時間を掛けて質問されていた。
自分も質問ぜめにされるかなと不安になっていると、聞かれたのはホテルと訪米の目的、そして日数だけだった。入管書類も必要無し。
更になぜか指紋の採取も無し。良かったのかなぁ?

空港からはタクシーでホテルへ。現在のJFKからマンハッタンへのフラットフェアは57ドルなのね。それに橋代など諸経費が加算される感じ。
ただチップの相場が高くて、提示された選択は20%,25%,30%だった。人件費だから絶対ケチっちゃいけないけど、やっぱ重い。
ここは25%を選択。カード会社からの請求額は10,705円なり。

到着したソフィテル・ニューヨークは劇場街に徒歩で行ける便利な立地。
早めの到着だったけど、部屋に通してくれた。





部屋は清潔でシャワーブースがバスタブと別にあるのが嬉しい。
ただ冷蔵庫が壊れていたので、フロントに申し出て他のを持ってきてもらった。
原因がホテル側なのでそのスタッフさんにチップは払わなかったけど、本当は払った方が良かったのかな。チップは本当に慣れない。
ガイドにはベルに荷物一つにつき5ドルとあったので払ったけど、同じ5ドルでもルームクリーニングの方が大変そうじゃないとか思ったり。

荷物の整理も終わったので、今晩のチケットをTKTSに買いに行くことにした。
アメリカも夏休みなので結構な混雑。15:00から並び窓口にたどり着いたのは16:00だった。
本日はMoulin Rouge! をチョイス。オリジナルキャストだったKyle Brownさんが降板しているので席にはこだわらなくていいかなと。

しかしこの作品がTKTSに出ていたのには驚いた。
というかHamilton, The Music Man, Six, MJ, Into The Woods以外の作品は買えていた模様。
もちろん10年前のチケ難作、Book of Mormonも出ていた。

さて、Moulin Rouge!について。
結論から言うと自分はこの作品にすっかりはまってしまった。次の週におかわりしてしまった位。
TKTSで購入できた席は40%Offの97.4ドル、位置はR列6番(上手サイド)
舞台からそう遠くないけれど、前の席の方の身長が高かったら視界を遮られるかも。自分の前は小柄な女性でラッキー。
あと舞台上部にメザニン席がかぶり、上演前のパフォーマンス(Kyleくんが担当していたケージダンス)もほとんど見えなかった。
上演中もボックスにいるクリスチャンや公爵が見切れていたかも。


(実際視界はこんな感じ)
この作品はKyleくんを観る目的でCDなども予習していたのだけど、実際の舞台を観てみるとこういう感じだったのかと驚きの連続だった。

まず冒頭から引き込まれた。4人の歌姫のうちラ・ショコラ役のJacqueline B. Arnoldさんを拝見できて嬉しかった。
PriscillaのRaining Man, I Will Surviveで観客を魅了した彼女。今回もそのパワフルヴォイスを披露してくれた。

クリスチャン役はリプレイスのDerek Klenaさん。
Anastasiaのディミトリ役はMR!オリジナルキャストのAaron Tveitさんがワークショップを務めて、彼が本公演で演じていた。
今回も同じ役に縁が出来ているのが興味深い。二人とも歌良し、顔良し、演技良しだものね。
愛にひたむきになる若者役にぴったりだった。

サティーン役はAshley Lorenさん。
長身の美女で、映画のイメージを裏切らなかった。細面なところがピンクレディ時代の増田恵子さんに似ていて、そんな素敵な人が衣装を次々と変えていく姿は見ていてとても楽しめた。
妖艶だけど茶目っ気もあり、はかなさ、可愛らしさ、しなやかさ、そして影も感じさせるこの役はとても難しいと思う。
日本ではどなたが演じるのか気になった。

あとトゥルーズ役で以前FELA!で主役のフェラ・クティを演じていたSahr Ngaujahさん。
映画よりコミカル度を押さえて賢者的な役割だった。
サンティアゴも映画でのナルコレプシー設定が消えてうるささが減った分、ニニに対するフェロモン担当として働きが多かったかも。

そんなキャストさんたちが次から次へと繰り出すナンバーでお客さんも大盛り上がり。
自分も1899年のムーラン・ルージュの観客になり切って楽しんだ。

ところでアンコールのMore More More!
これはCDの通り、ジドラーが音頭をとり観客も一緒に歌う。
マスクと声出し厳禁の国からやってきたメガヒヨ、大狼狽!!
しかし盛り上がらなきゃ損とばかりにカンカンカン♪と一緒に歌って来たのであった。
もちろんマスクをつけてね。


2022夏Broadway 何ゆえ行ったか

2022年08月28日 | NEWYORK

メガヒヨは2022年8月12日から19日にかけてNew York(一日だけChicagoに日帰り)旅行に行ってきた。
このコロナ第七波のなか賛否両論あると思う。
コロナ陽性になれば、英語もつたない自分が帰国便に乗れずに現地療養の必要に迫られる。
だけど行ってきた。

話は遡って一年前の2021年8月。
毎年の恒例であるNew Yorkへの観劇旅行にコロナ禍のせいで二年連続で行けなかった。生きがいを奪われたメガヒヨは意気消沈していた。

まだまだデルタ株が猛威をふるっていたあの頃。東京オリンピックも無観客開催。

旅行でアメリカに行くなんて夢また夢と言ったところであったが、一縷の希望を持ちたかった。
ちょうど手元に50,000マイルある。一年後のニューヨークのチケットを取ってみようかなと思いついた。
旅行が不可能になったところで、マイル特典旅行だから3,000円のキャンセル料で済むし。
何より先の旅行の計画は日々のモチベーションに繋がる。

そんな訳でマイル航空券を予約した。
ところがテンパっていたメガヒヨ 。帰りの日は木曜早朝便(水曜日深夜。水曜ソワレ観られない!)をポチってしまい、3,000円のキャンセル料を払い予約しなおす羽目になったのだが...。

2021年秋にかけてデルタ株は収束をみせ、このままコロナ禍は終わるのではないかと期待させた。
自分はワクチンでしんどい副作用に耐えた。その甲斐があったものだと思った。

ところが年が明けてオミクロン株の蔓延。これは気持ちが折れた。
このまま旅行もダメになってしまうかも...との考えがよぎった。

しかしながら世界的にオミクロンが減少に転じた3月。驚くニュースが耳に入った。なんと3回のワクチン接種者は日本水際での3日間の隔離が無くなったこと。
さらに今までは空港から公共交通機関も利用できなかったのが可能になるなど大幅な変更があった。
これは自分にとって吉報だった。
早い方々はBroadwayに即行ったようで、背中を押される思いだった。

そして6月。アメリカの入国においての陰性証明が廃止になった。
これも心の負担が大きく減った。飛行機搭乗の一日前に検査をする必要があったが、自分の搭乗一日前は祝日なので医療機関が限られてしまうのだった。岸田さんも水際制限をG7諸国並みに緩和しますと言っていたので、日本政府の決断についても大いに期待していた。

ちなみにこの頃、大ファンの名ダンサーKyle BrownさんがChicagoでワールドプレミアを迎えるThe Devil Wears Prada The Musical(プラダを着た悪魔)に出演されることが決定。
アメリカに行くことがほぼ決定している自分は迷う事なく公演チケット、ニューヨークからシカゴへの日帰り航空券を購入した。

ところが7月に入ってオミクロン変異株が日本国内において大きく蔓延。
ジェットコースターの様に振り回されてきた心情だけど、最後の最後で大きくたたきつけられた思いだった。
帰国便搭乗前72時間以内に行われるPCR検査で陽性になった場合は、陰性になるまで帰国できない。これは会社勤めの自分にとって大きな問題であった。

勤め先はお盆に社全体で休業するため、休み明けはとても忙しい。そんな中を延長して休みを取るなど考えられない話だった。
解雇まではされないだろうけど、確実に長年の信頼を失ってしまう。

ただお金の問題が自分の決断に大きく影響した。
自分の払ったサーチャージ・税金・キャンセル料(笑)は合計26,870円。現在は航空代金も諸費用も大きく上がっている。
さらにホテルは昨年9月に予約しておいたおかげで、劇場徒歩圏の4つ星6泊で141,980円で済んでいる。
今後この様な値段でNew Yorkに行けることはまず無い。この機会を逃したら当分難しいだろうと考えた。

こうして渡航を決断したメガヒヨ。リスクが高い旅行な分、出来るだけの自衛策をとることにした。

PCR検査は日系旅行会社のあっとニューヨークさんでお願いすることに。こちらは陽性になった際、抗原検査キットをくれるなどアフターフォローも万全。
実際伺った際に親切にしていただき、次は楽しい予定でお世話になりたいと思った。

感染防止については、現地での飲酒を控える、外出後には手洗い・うがい・鼻うがいを徹底、なるべく疲れないようにするなどネット上の体験談を参考にした。
マスクは食事のタイミングなどで数時間で取り換えた。

鼻うがいといえば、花粉症のシーズンを外しているためドラッグストアでなかなか見つからなかった。
そうTwitterに書いたら、なんと友人のLittle Sisterさんが薬局に問い合わせをしてまで入手して下さった。感謝の気持ちでいっぱいであった。



温かい援助はおなじくNick姉さんからも。
「もし困ったことになったら遠慮せずに連絡してね。現地の友人に助けに行ってもらうから。」と言って下さったのである。
もちろん人様にご迷惑をお掛けする事態は避けたいけれど、このお言葉はお守り代わりとなって滞在中は心強かった。

もちろん十分な対策をとっても不安は尽きなかった。
出発3日前には県の検査場で抗原検査とPCR検査を行った。
出発1日前の夕方、検査結果が届き結果は陰性。
そこでようやくHugh Jackman主演のThe Music Manのチケット(299ドル 41,072円)を購入する気持ちになれた。

航空券を押さえてから一年。
やっと行くことが出来るという心境にたどり着いたのであった。


メガヒヨ in NY2018 その1《ANASTASIA編》

2018年09月09日 | NEWYORK

もう時は既に9月で今更なのだけれど、今年GWに行ったNEW YORK旅行の観劇記などを書きたいと思う。
今年の旅は色々ツイていて、あまりのラッキーぶりに運を使い果たさないかとハラハラした。

それは旅行より一週間ほど前のこと。Anastasiaを到着日二日目の土曜マチネで観るつもりだったメガヒヨ。
お目当てのKyle Brownくんにその日登板するかどうか確認すべくメッセージを送った。
それに対するKyleくんからのお返事は、その前日の金曜日を最後にAnastasiaをしばらく休演するというものだった。

めちゃくちゃ動揺するメガヒヨ。新作・ムーランルージュ試演への出演が決まっていたとはいえこんなに早く休むとは思ってみなかった。
NYへの到着日は金曜日なのだけれど、この日は既にMy Fair Ladyのチケット(オーケストラ前方)を取っていた。

でも悩んでいるヒマはない。自分にとって一番優先したいのはKyleくんのダンスを観ること。
チケットをリリースすべく、NYにつながりを持つ友人に頼んだり、NYの現地掲示板、ツイッターなどネットのあらゆる場所で希望者を募った。

でも当日までの時間はわずか。すぐに引き取り手が現れる訳もなく、時は刻々と過ぎていった。
空席は作りたくないのでアメリカ人のFaceBook Friendに行ってもらおうかと思ったさなか、ツイッターに返信があった。

チケットを引き取ると申し出て下さったのは、関西在住のKさん。何と自分と同じ日程・ホテルにご滞在との偶然!
受け渡しに関するやり取りはスムーズに進み、My Fair Ladyのチケットは救済され、メガヒヨは心置きなくアナスタシアを観られることになった。

あの騒動において、現地のご友人に聞いて下さったNick姉さん、リツイートして下さった方々(特にきっかけとなったsatokoさん)、見ず知らずの自分からチケットを買って下さり取引の場ではお茶も振舞って下さったKさん、KさんのツイートアシストをされたAさんには本当にお世話になりました。
心からお礼申し上げます。

 

さて、当日。


Anastasiaは上演の一週間から3日前にはプレミアムシートの開放が始まる模様。
メガヒヨも朝晩チェックし、良席が出るやいなや購入したよ。

4月27日金曜日20:00 Broadhurst Theatre
オーケストラC108(センターど真ん中)

レギュラープライス $159.00(事前に専用サイトで購入。手数料別)

キャストは前回と大幅に入れ替わっている。
GlebはRamin KarimlooさんからMax von Essenさん、DmitryはZach Adkinsさん、
LilyはVicki Lewisさんにバトンタッチしていた。


特等席からの鑑賞。前回と違い、目の前を遮るものは無し。
噂では、Tktsでも運が良ければこのレベルの席が出るらしいのだけど、大好きな作品なものでギャンブルには出ず定価で購入。

あらすじ・関連リンクは前回をご覧いただくとして、変更キャストの感想など。


Zach Adkinsさん。アイドル並みの人気のDerekさんを引き継いでの登板。
確かに外見は前任者に比べると大人しい印象なのだけど、瞬間的にほくそ笑んだりなど演技の面で光るものが。
詐欺師の役としてはこの方の方がしっくり来た。

安定の実力派俳優、Max von Essenさん。Glebのナンバーを難なく歌いこなしている。
アーニャへのあごクイシーンも申し分なし。全般的にRaminさんよりコメディ要素が少々入っているかな?

メガヒヨはこの方に観客縁があるのか、舞台を数えきれないほど拝見している。
Xanaduの来日公演のSonny役もこの方だったしね。
2000年のJCSでは運よくアンダースタディだった彼のジーザス役を観ている。
そのことを言ったらとても喜んでくれた!


皇太后役のMary Beth Peilさん。現在も続投中では拝見できて嬉しい!!
この方は2003年のアントニオ・バンデラスのナインで、主人公の母親役がとても印象に残っている。
凛としたソプラノが素晴らしかった。
Anastasiaでは祖母役なので高々に歌い上げることは無いのだけれど、慈愛に満ちた歌声を拝聴することが出来る。


自分にとってのBroadway Princessである、タイトルロールのChristy Altomare嬢!
そのハートもお姫様そのもので、Stage Doorで待つ大勢のファンに一人ひとり丁寧に対応していた。
終演後とても疲れているだろうに。
ロングランのアナスタシア役だけど、初々しさは変わらずさらに輝きを増していた。


ファンサービスでセルフィーの変顔も披露してくれた。どんな表情でもズルい位に可愛いChristy

そしてそしてお目当てのKyle Brownくん!
ジークフリート王子のグラン・ジュテも相変わらず高々と。
長い手足を駆使するロシアンダンス、軽々とこなす姫君のリフトなど屈指のダンサーとして舞台に花を添えていた。

ところで開幕当初とは違い、終演後メインキャストとアンサンブルは別のドアから出てきていた。
そのことに途中から気づいたメガヒヨ。
でもその数秒後にKyleくんが出てきた!! これって何というかな、彼の香りを嗅ぎつけたファンの執念ていうの?(笑)

この公演の次の日。Kyleくんは束の間の休暇を恋人と過ごしたのち、Moulin Rougeの一員になった。
ボストンでのワールドプレミアは大成功し、コルセット姿でもタキシード姿でも彼は観客を大いに惹きつけたとのこと。
Broadwayで観られる日が待ち遠しい!! 

なおKyle Brownくんは現在Anastasiaに再登板中。(2019年9月現在)
運が良ければアンダースタディとしてのDmitry役も観られるかも!
近々New Yorkに行かれる方はぜひBroad Hurst劇場に足を運んでいただきたい。


メガヒヨ in NY2017 その12《PACIFIC OVERTURES編》

2018年06月30日 | NEWYORK

最後を飾るのは、日系人俳優George Takeiさん主演のPacific Overture。


ユニオンスクエア近くにある、オフの劇場。
ロビーはコーヒーショップと一体となっており、なかなか見つけにくい場所。


扉を開けると表からは想像できない広々とした空間の劇場が。
GWだし日本人が多いかな~と思っていたけれど、会場のお客さんのほとんどは白人の方々。

日本では『太平洋序曲』として名高いこの作品。
幕末の黒船来航のエピソードが、ジョン万次郎、老中阿部正弘といった実在の人物も交えて語られる。
とは言え、John Weidman氏が70年代に書いた脚本。日本人の立場からすると突っ込みどころ満載。
でも別の視点で考えると、そんな前によくここまで日本のことを調べたものだと感心もする。

The Reciter...George Takei
Kayama...Steven Eng
Tamate...Megan Masako Haley
Madam...Ann Harda
Manjiro...Orville Mendoza
Fisherman...Karl Josef Co
Boy...Austin Ku
Warrior...Kelvin Moon Loh
Thief...Marc Oka
Lord Abe...Thom Sesma

George Takeiさんをはじめとして、キャストはみなアジア系。
セットは上記の写真の様に至ってシンプル。衣装は黒っぽい私服のような格好の上に帯状の布を重ねている。
これで着物や裃を表現している。観客のイマジネーションを誘う演出。
バンドは9人体制。中には和楽器も。演奏しているのは白人の方だった。

以前に観た宮本亜門氏演出版とは違い、この度は休憩なしの一幕もの。
上演時間も短く、将軍の母のシーンが無かった。これはまったく問題なし。
あのシーンはかなり国辱的な感じがするから(笑)

もちろんカヤマと万次郎の歌う♪Poem、重唱の美しい♪Someone in a treeは健在。
少数精鋭でソンドハイム独自の複雑なハーモニーを聴かせてくれた。

フランス大使、置屋のマダムなどなど様々な役を演じたAnn Haradaさん。
前回『Cinderella』ではお休みだったので、今回拝見できて嬉しかった。
『Seussical』、『AvenueQ』の頃から変わらず輝いているこの方。
舞台に立つと独特の躍動感で観客を自分のペースに巻き込んでいる。次回また拝見できる時が楽しみ!! 


Georgeさんはさすがスターの貫禄。オーラが違うというか。
用意していた端午の節句のカードをお渡しし、一生懸命英語で話そうとしたら日本語でOKとのこと。
当時まだ日本での公開未定だった『Allegiance』を観たいと訴えた自分に対し、「今その計画が進行中ですよ。」ととても優しくおっしゃって下さった。
この『Pacific Overture』に関し、「英語だから難しかったでしょう」とまで気遣っていただいたりして。
たいへん穏やかで素敵な紳士でいらっしゃった。
さらにハグまでしていただき、幸せこの上なし。

<後日談>


その後、『Allegiance』は日本で公開されて、メガヒヨはもちろん観に行ったよ。


Georgeさんの舞台挨拶付きの上映。
そこで色々興味深い話を伺えた。
Georgeさんの目標は、東京オリンピックを機会として、日本中の人たちに『Allegiance(アリージャンス)』を見てもらうこと。
確かに自分もこのミュージカルを見るまで、日系人収容について関心を寄せることがほとんど無かった。学校でも習わなかった世代だし。
上映全国キャラバンのクラウドファンディングは残念ながら不調に終わってしまったけれど、今後一人でも多くの人がこの作品を観ることができますようにと願うのであった。


メガヒヨ in NY2017 その11《HELLO, DOLLY!編》

2018年05月30日 | NEWYORK

またもや更新を空けてしまった。
今年のBroadway旅行に既に行ったにもかかかわらず、2017年の観劇記をいまだにupし続ける始末。
最後まで書かなきゃとばかりの執念の自己満足だが、お付き合いいただけたら幸いである。

最終日水曜マチネに選んだのはコチラ。
2017シーズンの中で最もチケ難演目であるこの作品。メガヒヨは発売日に買おうとしたけど一晩悩み、次の朝には結構売れてきていたので慌てて買った。

マチネにしたのは、主演のBette Midlerさんの主たるファン層が年輩のご婦人であるため、夜より昼の方がご本人登板の可能性が高いと推測したため。
その作戦は功を奏し、当日の公演は代役なしであった。

5月3日水曜日14:00 Shubert Theater
メザニンA16(上手中央より通路から8つ目)

レギュラープライス $189.00(事前に専用サイトで購入。手数料別)


座席からの眺め。かなり見やすい。
左に写っているPlay Billは隣の隣の方が手すりに置いていたのだけど、斜め後ろの方から「それがあると舞台が見えない」と注意されていた。
メザニンは前列の人のちょっとした姿勢とか動きで見えづらくなっちゃうんだよね。自分も気を付けなければ!


舞台は宝塚のようにオケピを超えて銀橋がしつらえてある。
Betteさんや激しい振付のダンサーが落ちないか冷や冷やした(笑)

Dolly...Bette Midler
Horace...David Hyde Pierce
Cornelius...Gavin Creel
Barnaby...Taylor Trensch
Irene...Kate Baldwin
Minnie...Beanie Feldstein
Kemper...Will Burton
Ermengarde...Melanie Moore

あらすじ
19世紀の終わりごろのニューヨーク。
旦那さんが健在だった頃は羽振りのよい生活をしていたドリー・リーバイ。今は結婚仲介業で生計を立てている。
今回の顧客はニューヨーク近郊で商売を営むホーレイス・バンダーゲルダー氏。
彼は金持ちだが、倹約家で女性を家政婦くらいにしか思っていない。
そんなホーレイスも若くて美しいアイリーンとの見合いに乗り気だ。彼女はニューヨークで帽子店を営んでいる。
意気揚々とニューヨークに向かうホーレイス。そこでドリーは企み事をする。
ホーレイスの店の従業員、コーネリアスとバーナビーをけし掛けニューヨークのアイリーンの店に向かわせたのだ。
また時を同じく、ホーレイスの姪アーメンガードとその恋人ケンパーの駆け落ちの手助けも行う。
登場人物が出揃ったニューヨークで何が起こるのか。ドリーの目的は如何に。

バーブラ・ストライサンドさん主演の映画で有名なこのミュージカル。
大スターBette Midlerにより何度目かのリバイバル上演となった。
会場は年輩のお客さんがたで、まるで日本の明治座状態。みんな大好きなBetteを観られるとあって開幕前から幸せそう。
メガヒヨも『フォーエバーフレンズ』(原題Beaches)でとても感動したので、目の前で動くBetteさんを観られることにとても興奮した。

冒頭、Betteさんが登場するやいなや会場は大盛り上がり!!
若き日のバーブラ・ストライサンドが演じたDollyとは全く違うタイプだけど、お見合いおばさんとしたらBetteさんの方がよりしっくりくる感じ。
そして存在感。第二幕で高級レストランのウェイターが「リーバイ夫人がくるぞ!!」と大騒ぎになるのだけど、確かに文句なしのカリスマを備えていた。

そしてDollyの影を感じさせる演技も良かったなぁ。一幕終わりごろ、亡き夫が営んでいた店の前で佇む彼女。そのシーンまでは快活一辺倒だったので、その後に続く♪Before The Parade Passes Byがよりこちら観客の心に染みてくる。
このミュージカルは名曲揃いで、♪Put on Your Sunday Clothesなんかも聴いててわくわくするんだけど、自分くらいの年齢になると「パレードが過ぎ去る前に」の歌詞がぐぐぐと来るなぁ。
Betteさんはこの歌を歌いながら涙をこらえている様にも見えた。
それにしてもこのシーズンはヒロインの独唱で一幕を締めるってのが多いな。『Anastasia』とか。

Dollyが影を見せるのはあくまでこの一幕ラストのみ。第二幕は快進撃を見せる。
レストランで見せるゴージャス衣装、そして店員とのダンス(♪Hello Dolly)。
食事のシーンでのコミカルな演技も素晴らしかった。Betteさん、チキンの食べマネ上手すぎ!!
それと模造ヨークシャプティングなのか、白いふわふわしたものは実際にお口に入れていた。口中の水分を持っていきそうだったけど、あんなにいくつも食べて大丈夫なの!?(笑)

その後、裁判にシーンが移っても食べ続けるメンタルの強さ、そして裁判官にまで営業用の名刺を配るずぶとさ。
DollyがBetteさんの体を借りてまるでそこに生きているようで、英語は分からずともお腹を抱えて笑った。

Betteさん以外のキャストも素晴らしかった。
コーネリアス役のGavin Creelさんは抜群の安定感。顔よし、歌よし、演技よし!!この役は映画ではマイケル・クロフォードさんが演じていたんだよね。
映画では当時のマイケルさんの年齢に近くして28歳という設定だったけど、この舞台版では33歳になっていたよ。
Gavinさんのやさしい顔立ちは、まさにホーレイスのブラック企業で耐え忍んで働く青年そのまんま。この作品でトニーの助演男優賞を勝ち取っていたけど納得。

アイリーン役のKate Baldwinさんも良かった。理知的美人で、歌声も深みがあって。
その助手、ミニーを演じたBeanie Feldsteinは斜め先をいくようなキャスティング。今『Hair Spray』をやっていたら、トレイシーに抜擢されそうなぽっちゃりさん。
彼女自体は上手でとてもいいんだけど、仮にもNYのお洒落最先端の帽子店の店員なのに衣装のせいで野暮ったく見えるのが残念だった。

ミニーとお近づきになるコーネリアスの後輩、バーナビー役はTaylor Trenschさん。
彼は小柄で身軽なダンサー。長身のGavinさんと並ぶと凸凹コンビ!
彼も設定年齢が違い、映画版は19歳、舞台版は17歳なのであった。ニューヨークに来たらクジラが観たいとはしゃいでいたから、17歳という方が納得!

ケンパーとアーメンガードもいいコンビだった! こちらは映画版とそう違わないかな。(映画版のケンパーはトミー・チューン!)
Will Burtonさんは昨年『パリのアメリカ人』で観た。長身の優れたダンサーなので、Kyleくんと役を奪い合いそうだなぁ。

そうそう、肝心のホーレイス。如何にも渋ちんのおじさん(おじいさん?)って感じでDavid Hyle Pierceさんもはまり役。
気になったのが、Dollyが紹介する遺産相続人のMiss. Moneyが47歳ってとこでドン引きするところ。
そりゃあ47も決して若くはないけど、こんなおじいさんにケチ付けられるような年齢ではないでしょ。まぁ脚本自体が50年以上前のものだから仕方ないのだろうけど。

それとこのミュージカルのアンサンブルの層の厚さにも驚いたな。
レストランの従業員のダンサーは長身、小柄、若いの、ベテラン、様々なタイプの方々がキャスティングされていた。
そんなダンサー総出でDollyを先頭に踊るシーンは圧巻。上演中のスタンディングオベーションなんて初めて見たよ。

あとは舞台装置。
名シーンのレストランの階段も豪華だけど、汽車には驚いた。あれはお金かかっただろうな。
もちろんチケットの売れ行きが好評だから、投資額は回収できたのだろうけど。

楽しかった二時間半はあっという間。
舞台がはねたら出待ちの列に並ぶよ。
係員の人が「Betteは出てきません~」と前もって言っているおかげで、それほどの混雑ではなし。


コーネリアスとケンパーのアンダースタディである、Nathan Maddenさん。
来日の舞台にも立たれている。この時も「また日本に行くよ~」とおっしゃっていたけど、どの公演だったかな。
とても感じのいい方なので応援していきたい。


そしてそして。Broadwayの白王子であるGavin Creelさん!!
(ちなみに黒王子はWill Swenson氏、トーン王子はNick Adamsくんである。)
Fanに対する優しさはデビュー当時と変わらず。
今年の夏にコーネリアス役でこのショーに戻ってくるんだよね。ああ、観に行きたい…。


<おまけ>
おまけこのShubert劇場の荷物チェックの厳しさはBroadway1,2を争う位。
ペットボトルを持っていったら容赦なく取り上げられる。
…まぁ安全のためだから仕方ないのだろうけど。

でもって水を取り上げられたメガヒヨ。のどが渇いてしまうので、バーコーナーで5ドル出して水を買った。
出されたのがコチラの写真のタンブラー。

よほど「へっ!?」って顔をしたのだろうか。店員さんが「ちゃんとしたミネラルウォーターが入っているから」と言い添えてきた。
せっかく5ドルも払ったのだから、このタンブラーを再使用しようと持ち帰ったのだけど、かなーりプラ臭くて使い物にならず。
せめてHello Dollyのロゴでも入っていたら良かったんだけどな~。 

<おまけ2>
何年か前に富山の劇場が日本版を制作したけど観に行けばよかったな~。
もし日本版が現在制作されたら…
ドリー...保坂知寿さんもしくは島田歌穂さん
ホーレイス...市村正親さん
コーネリアス...山崎育三郎さん(転職サイトの広告を見て、ブラック企業で耐え忍んでいるイメージがついちゃったので)
バーナビー...工藤広夢さん(身の軽さであのダンスを踊ってほしい)
アイリーン...和音美桜さん(Ribbon Down My Back歌ってほしい)

古典ミュージカルだしストーリー展開に無理もあるけど、一つ一つの楽曲が素晴らしいのできっと受けると思う。
Broadway版もクローズなので、ぜひあの機関車を買い取って上演していただきたい。


メガヒヨ in NY2017 その10《ホテルで起こったいやなこと編》

2018年04月24日 | NEWYORK

この事は書こうかどうか迷ったのだけど、実際にあったことで中傷ではないから読者様にお伝えしたいと思う。

このメガヒヨ、ここ何年かはSalisbury Hotel(ソールズベリーホテル)を常宿としてNY旅行を楽しんできた。
ベルボーイの方も親切だし、アーリーチェックインも可能な限りさせてくれるしね。
気に入っていたホテルだったのだけど、とても残念なことが起きてしまった。

最終日。この日はマチソワなので午前中にお土産を買いに行くことにした。
部屋のテーブルにメイドさん宛てのチップを置き、ドアノブに「掃除してください」サインを掛けて出かけた。
トレーダージョーズで長蛇の列に並びチョコレートを買い、ブランチを済ませて戻ったのはお昼ごろ。部屋は掃除されていなかったけど、テーブルからチップは消えていた。

先にチップだけ持っていく段取りでもあるのだろうかと思いつつ、マチネまで少し休みたかったので「起こさないでください」サインを掛けてベッドに横になった。

寝入りかけたその時、ドアを激しくノックする音が。
しぶしぶ出ると、メイドさんがそこに立っていた。「先にチップもらっちゃいました。これから部屋を掃除するつもり。」みたいなことを言っている。
もう少し休みたいメガヒヨは、「午後1時になったら出かけますから、その後にお願いします。」と返答。しかし上手く通じない。
人のことは言えないが、このメイドさんは英語がお上手ではない模様。他のメイドさんが来てくれることによって何とか話が通じた。

最終日の観劇も無事に終わり、ホテルに戻ったメガヒヨは帰り支度を始めた。そこで異変に気が付く。
トレーダージョーズのチョコレートが1パック足りないのだ。

確かに売り場では数を確認したのにな。
レシートを見てもちゃんと購入した数が明記してある。

…まさかまさか思いたくはないけれど、誰かが紙袋をあさったのだろうか。
とても嫌な感じに襲われる。

一人では耐え切れずにfacebookでつぶやくと現地在住の方々が「信じられない!」と同調してくれた。

2ドルもしないチョコレートについて言うのも何だけど、泣き寝入りは良くない。
ホテルに一言言って帰ろうとメガヒヨは一筆書いた。

この手紙をフロント女性に託し、帰国の途に就いた。

手紙にはメールアドレスを書いておいたのだけど、帰って数日たってもホテル側から何の音沙汰も無かった。
ホテルから一言あれば、数いるスタッフの一部が起こした粗相についてもう忘れるつもりだった。

もしかしてフロントからマネージャーに上手く伝わっていなかったのでは?
そう思ったメガヒヨはアメリカ在住の友人の手を借り、添削された文章を大手のクチコミサイトに複数投稿してみた。
そうすればマネージャーの目につくと思ったので。

残念ながらホテル側からのアクションは一切なかった。

これにはメガヒヨとことん失望!!
今回は被害がチョコレート程度だったけど、もっと深刻な問題が起こった場合に管理側の対応に期待を持てないのは怖すぎるから。

そんな訳でもうこちらのホテルは利用しないことに決めた。
お値段の割に部屋が広くて立地も気に入ってたんだけどね。
次回の旅行では初めて利用するところに泊まる予定。評判が良いようで楽しみである。

《補足》
チョコレートが消えたのと同じ日。
Nick Adamsくんが現金80ドルとメトロカードをすられる災難に襲われていた模様。
彼は「盗んだ人がそれを切実に必要だったと思いたいよ。」とツィートしていた。
やっぱり彼は天使だなぁ メガヒヨとは違うってば


メガヒヨ in NY2017 その9《ANASTASIA編》

2018年04月08日 | NEWYORK

クロイスターズとメトロポリタン美術館のはしごで疲れたメガヒヨ、
19:30からのアナスタシアの開演に備えて、ちょっとだけとホテルの部屋で横になった。

そして気が付いたときには既に19:00すぎ(!!)
ちなみにホテルは57丁目。アナスタシアが上演されるBroadhurst劇場は44丁目であった…。

本当に切羽つまったときには瞬間移動でも使えるのだろうか。
すごい人混みで信号だって少なくとも15か所はあったはずなのに、無心で劇場に向かったせいか間に合ってしまった(笑)

5月2日火曜日19:30 Broadhurst Theatre
オーケストラE6(上手通路から3つ目)

レギュラープライス $142.00(事前に専用サイトで購入。手数料別)

この席、位置的にはかなり良かったのだけど、前列斜め前に縦にも横にも大きな女性がいらしており、視界が大幅に遮られてしまった。
こればっかりは本当に運。まぁ寝坊して無事間に合ったのだからプラマイゼロとしよう。

...

Anastasia(Anya)...Christy Altomare
Dmitry...Derek Klena
Vlad...John Bolton
Gleb...Ramin Karimloo
Countess Lily...Carikube O'Connor
Prince Siegfried in Swan Lake...Kyle Brown
Dowager Empress...Mary Beth Peil

あらすじ

時は1906年。ロシアロマノフ帝第四皇女の7歳のアナスタシアは、パリに旅立つ祖母マリア皇太后より美しいオルゴールボックスをもらい受ける。
その後美しく成長した18歳の彼女に悲劇が襲い掛かる。ロシア革命の勃発である。
奇跡的にも一族のなかで一人だけ密かに生き残るが、その記憶は失われてしまった。

それから10年後の1928年。サン・ペトロブルグの街は死んだはずのアナスタシア姫が生きているという噂で持ち切りになっていた。
彼女を見つけ出せば、パリに住む皇太后から多大な報奨金が支払われるという。
若い詐欺師ドゥミトリーは元宮廷の召使だったヴラドを相棒にし、アナスタシアの偽物を仕立て上げて一儲けしようと企む。

…とここまで書いたけど、ART CONSUTANTさまのサイトhttp://artconsultant.yokohama/musical-anastasia2/がとても詳しく正確に書かれているので、そちらを読まれることを是非おすすめしたい。

このミュージカルは1997年公開の同タイトルのアニメ映画を基本としており、主題歌・基本的な筋はそのまま踏襲している。
しかしアニメで悪役であった怪僧ラスプーチンの存在がカットされて、ボルシェビキ(共産主義者)が敵役に置き換わっている。
日本でもおなじみ、Ramin Karimlooさんはその将校役。

しかし…。この将校のキャラクターがなんか中途半端。
楽曲がRaminさんの熱唱もあって素晴らしい分、ストーリー上の人物像の肉付けが甘さが目立ってしまうのだ。

ネタバレしちゃうけど、

「アーニャ、死んでもらうぞ!!」

アナスタシア (`・ω・´) キリッ

「くっオレには出来ない…orz」てな感じ。

これだったらRaminさんには映画通りにラスプーチンの役でもやってもらったら良かったかも。
In the dark of the nightとか映画には聴きごたえのあるナンバーがあったからね。
(なお既にRaminさんはこのショーを降板しています。2018年4月現在この役はMax Von Essenさんが演じています。)

ステージドアでのRaminさん。Fanにとても丁寧に接して下さっていた。ありがたや。

そうそう。タイトルロールのアナスタシア、Christy Altomareさん。
彼女はとにかく可憐で、アニメよりはるかに魅力的なプリンセスだった。

アナスタシアは7歳、18歳、28歳とそれぞれ別の女優さんが演じている。
18歳と28歳なんてそんなに違わないんだけど、テレビとは違って同時に舞台に出てこないといけないからね。

設定年齢30歳の相手役のドゥミトリーを演じるDerek Klenaさんは若干26歳。
歌よし、背が高い、顔ハンサム、学生時代からのガールフレンドと婚約する誠実ぶりなどなどBroadwayのおとぎ話のような彼。
(なおDerekさんもこのショーを降板しています。2018年4月現在この役はZach Adkinsさんが演じています。)

他に印象に残ったキャストといえば、ヴラドを演じるJohn Boltonさん。
My Fair Ladyで例えるとピッカリング大佐みたいな立ち位置で、アーニャの教育にあたる。
もともと二枚目の方だと思うのだけど、この役のために体型改造したのかな? 恰幅の良さは映画そのままだった。
皇太后の侍女でありヴラドの元恋人のリリー役のCaroline O'Connorさんも素晴らしかった。
ベテラン役者二人のおかげでショーがさらに引き締まった感じ。

歌やダンスで活躍というわけではないのだけど、アナスタシアの母であり皇后役のLauren Blackmanさんも存在感があった。
四姉妹の姫役女優がみんな小柄な方の中、一人だけモデル体型。
皇后のドレスは純白に輝きラインストーンがちりばめられて、客席から見て目がくらむ程。あれは誰で着こなせるものではない。
登場するたびに彼女に目が行ってしまった。

衣装も豪華だけど、セットもプロジェクトマッピングを使っている。
このハイテクも使い方を一歩間違えると浮いてしまうのだが、この作品についてはセンス良く取り入れられている。
まずはボルシェビキ本部の窓の雪景色で観客の目を慣らした後、大きい映像を映し出している。
そして機関車のシーン、一幕最後の♪Journey to the pastの頃にはまったく違和感がなく、景色を楽しめているのだ。

これは♪Once upon in Decemberのナンバーのシーン。
プロジェクトマッピングのおかげで亡くなったひとたちが幻想的に舞うのがよく表現できている。
そうそう。姫役の女優さん達に対し、貴公子役の俳優さんたちはみな高身長。
リフト多用でダンスも見ごたえあり。

劇中劇でバレエの白鳥の湖が披露されるのだけど、姫役の方は全員バレリーナとして登場するよ。
超ダイジェスト版ながら、小さい白鳥のダンスも有り。

全員バレエスキル有りの姫役女優の中でも、オデット役のAllison Walshさんはバレエ団出身。
アナスタシア降板後は『パリのアメリカ人』ツアー版でリザ役を演じるほどの腕前。

貴公子役の俳優さんからも二人がジークフリート王子とロットバルト役で登場するよ。

そのジークフリート王子役がメガヒヨが数年前から注目しているKyle Brownくん!!

『Priscilla』ではポワントで舞い、『パリのアメリカ人』ではヒロインのダンスパートナーとしてモダンバレエを披露。
そんなBroadway屈指のバレエダンサーである彼。
お父さまを3歳で亡くし、6人兄弟の末っ子として育つ。地元のバレエ教室ではたった一人の男の子の生徒だったというリアル・ビリーエリオット。
ドゥミトリーの代役も務めているので歌も花丸、この次のビッグ・プロジェクトもオリジナルキャストとして内定している。
彼のおかげでまだまだBroadway通いはやめられなさそう!!

『ANASTASIA』がすっかり気に入ったメガヒヨさん。
キャストアルバムが届いたときの心境を「てのりちゅっちゅ」のみなさんに表現していただきましょう。



「とどいた、とどいた♪ わくわく」

「裏表紙、Kyleくんうつってる!!」
「どこどこ?」「右から三人目!!」
「後ろ姿もかっこいいね。」
「一緒に組んでいるのはYoung AnastasiaのMolly Rushingさんだよ。Christyさんとよく顔が似ているよ。」

「このシーンは…完全にもらってるな。」
「もらってるね。」

ところでこの作品は梅田芸術劇場が制作に携わっているので、東宝系での日本版は近いうちにありそう。
キャストはどうなるんだろうな~。
個人的な希望でいうと、アナスタシアは新妻聖子さんで観たい。
役の上でも28歳だから、16歳のキャロルをこなした彼女ならまったく問題ないでしょう。
神田沙也加さんとのダブルキャストなんてのも素敵だなぁ。
彼女の元ネタ再現能力はご自身の仕事に対する誠実ぶりもあり、業界屈指ではないかと。

ドゥミトリーは候補が数多くいるんだろうな~。
うっかりするとアナスタシアを飾る額縁になってしまいがちな役どころだから、少し個性派くらいの俳優さんがいいのかも。

グレブは抜群の歌唱力の佐藤隆紀さんで観たい、というか聴きたい。

ヴラドは石川禅さんなんてどうかな。体型を少々改造していただいて(笑)
この方はアニメ吹き替え版でドゥミトリーの声を担当しているんだよね。

同じ理由でリリーはアナスタシア役だった鈴木ほのかさんで。
二幕は歌って踊って大忙しの、大人の色気漂うこの役だものね。
でも梅芸制作だし、宝塚OGが来るかなと思ったりもして。

皇太后は鳳蘭さんで観たいな。威厳、美しさといいぴったりでしょう。

白鳥の湖のシーンは、もしかしてここだけバレエ団の方に頼むのかな。
メリー・ポピンズでネーレウスを演じていた長澤風海さんのバレエが素晴らしかったので、この方で観てみたいな。

とても気に入った作品なので感想がついつい長くなってしまった。

『Anastasia』はオープンから一年たっても売り上げは順調な模様。
やっぱりみんな、綺麗なお姫様、彼女をめぐるハンサム達、芸達者なベテラン、威厳ある大女優、壮麗なダンスシーン、
美しい衣装、ハイテク装置が大好きなんだね。
この作品には全部そろっているから。

日本にも最高の形でこの作品が上陸するといいなと思うのであった。


メガヒヨ in NY2017 その8《クロイスターズ&MET編》

2018年01月21日 | NEWYORK

『ばらの騎士』を観た翌日は火曜日。
『ANASTASIA』が19:30からなので昼間はフリー。
そんな訳で三度めのクロイスターズ美術館に行くことにした。


地下鉄Aラインの190ST駅にて降りると、マンハッタン内とは思えないような緑の光景!


ハドソン川沿いに、てくてく歩くよ。


季節の花々を愛でながら10分ほど歩くと…


いきなり中世にタイムスリップしたかのような建物が!

おフランスの修道院を移築した、このクロイスターズ(回廊)美術館。
メトロポリタン美術館の分館である。
入り口はコチラ。入場料は任意(2017年5月現在 2018年3月から定額制に変更)。
大人であるメガヒヨ、目安とされている25ドルを払う。
前に並んだお客さんが少額しか払わなかったようで、チケット売り場の方が自分にはとびきりの笑顔で対応してくれた。


もともと修道院ということでいくつか礼拝堂があり。


平日昼間ということでゆっくり観られる。


えっと、この方はミカエルさんで良かったんだっけ?
仏像でも十二神将だったかな、同じ構図のものがあるよね。悪いやつ踏んでるの。

 
目玉作品である、一角獣のタペストリー。
前々からなんで中世の人ってこんなにタペストリーが好きなんだろかと疑問に思っていた。
これって装飾目的もあるけれど防寒対策も兼ねていたということを、2015年のフランス旅行でようやく分かった。
確かにこんな石造りの建物じゃあ冬はとても冷えるよね。

 
これはタペストリーではなく壁画。防寒効果もあるはずなく完全に趣味の世界。
ラクダは実物見て描いたのだろうけど、ライオンは人に聞いて描いたっぽい(笑)
沖縄のシーサーにちょっと似てるね!


クロイスターズの名前の元になった5つの回廊のうちの一つ。


学校行事中のアメリカの女子高生。制服の学校とは珍しい。
彼女たちは研究レポートの発表会なども礼拝堂で行っており、しっかりお勉強をしている様子だった。


一通り回った後は回廊に設けられたTORIE CAFEで休憩。
名前の通り鳥さんもくつろぐ憩いの場所であった。


突然場所は移り、メトロポリタン美術館。
同じ日ならクロイスターズの入場券でこちらも観られるのだ。
25ドルの元を取るべく、午後の限られた時間でもしっかり観るよ!!


大好きなギリシャ美術のコーナー。
このぷるぷる唇の彫刻を観てメガヒヨ、Nickくんロスを発症する。(今回彼を観られなかったもので)


行きの飛行機でモアナを観たので、南太平洋の文化にはいつもより興味津々。


南アメリカのコーナーだったっけな。
この亀さんにはじわじわ来るものを感じた。


特別展の会場では、川久保玲さんの展覧会の内覧会が開かれていた。

 
一般公開は数日後なもので、隙間からチラ見。
グッズは先行で売られていた。

 
アメリカ美術のコーナーを歩いていると、いきなり親しみやすい油絵が目に入った。
METは何度も訪れているけれど、この作品には今まで気づかなかったなぁ。
1893年の作品かぁ。これ位の時期って80日間世界一周のネリー・ブライ、エリザベス・ビスランドも来日してるよね。


こちらは印象派コーナーにて。
ミュージカルファンにはおなじみの絵。ジョルジュ・スーラの『グランド・ジャット島の日曜の午後』(習作)。
2017年版の『SUNDAY IN THE PARK WITH GEORGE』も観たかったのだけれど、限定公演に間に合わなく残念!!


特別展で秦と漢時代の展示がされているのでこれを観ることにした。


ずらりと並んだ兵馬俑にわくわくする。
これは日本にはおいそれと貸してくれない感じがするので(笑)

 
説明をよく読まなかったけど、縦に長い展示品二つ。
青銅の方の緻密な細工にはときめく。焼物の方にはゆかいな仲間たち的な雰囲気になごむ。


これは副葬品なのだろね。
ミニチュアハウスも好きなのでつい立ち止まってしまう。


そして鳥好きのメガヒヨの心を掴んだニワトリさん。隣は鴨かアヒルかな?
後ろに見える豚さんや牛さんのオシリもラブリー。

政治的に微妙なお国でも、その文化には敬意を抱いている。
第三国で貴重なお宝を拝見する機会に恵まれ、大変ラッキーなのであった。


メガヒヨ in NY2017 その7《メトロポリタンオペラ・ばらの騎士編》

2018年01月08日 | NEWYORK

月曜日の夜。
Broadwayのショーは一部を除き大半が休演である。

そんな訳で今回はメトロポリタンオペラを観に行くことにした。
演目はリヒャルト・シュトラウスの『ばらの騎士』。

かつて宝塚歌劇団が『愛のソナタ』として上演したショーの原作、
そして一条ゆかり氏のオペラマンガ、『プライド』にてメインのモチーフとなった作品である。 

プライド 11 (クイーンズコミックスDIGITAL)

 
集英社

Metropolitan Opera House。
相変わらずきらびやかな劇場。

時間があったのでリンカーンセンター内を散策。
奥の方にはAudra McDonald様など数々のスターを輩出しているジュリアード音楽院が。

元帥夫人役の恍惚とした表情のRenee Fleming様。
オクタヴィアン役のElina Grancaさん、この写真だと男前だけど素顔は女性らしい方。
二人ともお美しくてワクワクしてくる。

メガヒヨが購入した席はリア・オーケストラのCC1。
オーケストラ席31列あるうちの29列目、下手中央通路に面した席である。
お値段は132.5ドル。(手数料を合わせると140ドル)

噂によるとリア・オーケストラより6階のファミリーサークル席の方が断然響きが良いという話。
だけどメガヒヨはそんなに耳がいい訳でもないので、今回はこの席にしてみた。
確かにステージは遠いけれど、オペラグラスさえあれば問題なし。
音も一流の歌手や演奏者によるものなので、まんべんなく響き渡っていた。

あらすじ

舞台は1911年のウィーン。(オリジナルでは1740年の設定)
夫が留守がちの元帥夫人(侯爵夫人)は17歳の青年貴族オクタヴィアンと不倫の仲。
ある朝侯爵邸で二人で朝食をとっていたら、元帥夫人の従兄オックス男爵がアポなし訪問して来た。オクタヴィアンはとっさに女装にて小間使いに扮し、その場を取り繕う。
オックス男爵の用件は、自分は間もなく婚約するため、花嫁に送る使者「ばらの騎士」として若い貴族を紹介してほしいというもの。
元帥夫人はそのお役目にオクタヴィアンを推薦する。
オックス男爵の婚約者は、新興資産家であるファニナル家の娘、ゾフィー。
使者として訪れたオクタヴィアンはあどけなく美しい彼女を見て一瞬で恋に落ちる。
ゾフィーも横暴な男爵にうんざりしており、若くて美しいばらの騎士の方に心動かされている様子。
一方元帥夫人はいずれ自分は老いていく身と諦観しており、オクタヴィアンもいつかは去る者と思っている。
しかしまだ諦めきれない一面もあり、気持ちは揺れるばかりなのであった。

 

世界的に有名なRenee Fleming様の歌を生で拝聴しようとしてチケットを取った作品。
Renee様も衣装も作品そのものもゴージャスだったの一言につきる。

元帥夫人を取り巻く召使の数、お買い物ひとつにしても商人が訪問し、本人ではなくモデルが試着するスタイル。
衣装といえば、この演出ならではの1900年代初頭のスタイルだったなぁ。ココ・シャネルが台頭してきた位の頃? とても素敵だった。

タイトルロールのばらの騎士、オクタヴィアンを演じたElina Grancaさん。
プリンシパル三人のなかでも三幕通しての登場。
歌はもちろん、コメディエンヌぶりも発揮していた。
カーテンコールで最後に登場したのはRenee様ではなくて彼女だった。

ゾフィー役は韓国出身のKathleen Kimさん。
小柄な体から響いてくる高らかな声、仕草も愛らしく役にはまっていた。
BroadwayのAshley Parkさんといい、韓国系の方は歌の世界で大躍進されていますな。

ところでこのメガヒヨ、本当に申し訳ないのだけど上演中にしばしば意識を失ってしまった。別名居眠りともいう。
さてはて音楽が美しすぎたせいか、ランチのワインを飲みすぎたせいか。
それでも最後の三重唱はしっかり聴いてきた。
漫画の『プライド』にも登場した重要シーンだしね。

おまけ

幕間。時間を持て余していたので地下を散策していたところ。

見覚えのあるお顔が!!
結構目立つところに若き日の小澤征爾先生。
関係者ではない自分なのだけど、見つけて嬉しくなった!

 
 
 

メガヒヨ in NY2017 その6《こんなもの食べました・買いました編》

2017年10月29日 | NEWYORK

天候に恵まれたせいか、極寒だった2016年の旅に比べて体調が良かったメガヒヨ。
食欲も湧き、色んなものを食べた。


まずはWaitressの後に食べたフルーツタルト。7番街57丁目にあるCafe Europaで購入。
あのショーの後ということもあり、美味しかった。持ち帰り一切れ6.48ドル。


土曜日にブランチはCafe Laloへ。
前回来たのがYou've got mailを観た1999年だったから、とってもお久しぶり。


相変わらず可愛い店内。
ハートモチーフの椅子に、ピンクのマーブルのテーブル。
写真では分かりづらいけど、照明も白とオレンジのライトで凝っているよ。

 
昔来た時は名物のチーズケーキをいただいたけれど、今回はポーチドエッグのサラダ。
美味しくって完食!! チップ込で25ドルなり。

 
こちらは別の日のブランチ。7番街57丁目と58丁目の間にあるカフェ、9 Ten Restaurantのバターミルクパンケーキ。
コーヒー・チップ込15.5ドルと立地の割にお手頃で美味しかったけど、サラベスとは違い上に何も載っていないから食べてるうちに飽きちゃった(笑)

 
あちらでの食事はスーパーやデリで簡単に済ませてしまうこともしばしば。Zabar'sのサラダは美味しかったな。
ベビーリーフといちじく、チーズで野菜とたんぱく質の摂取が出来たし。

 
こちらはハズレシリーズ。
Fairwayのお寿司。お米の色が茶色いな~と思ったのだけど、食べてみたらとても硬くて。
例えるなら、炊いたあと冷蔵庫に二日間放置したような感じ。ポロポロだった。
もしかしてこれがブラウンライスの本当の味!?


今回はベンダーのチキンオーバーライスにもチャレンジしてみたよ。NY18回目にして初めて!

永遠のおのぼりさんであるメガヒヨ、オーダーのときにお金を払ったら、品物受け取りの際にも重ねて代金を請求されてしまった。
「さっき払ったでしょ!」って言ったらあっさり引き下がったけど…。


で、肝心のチキンオーバーライス。たしかビーフとのコンボだったかな。
お肉のドライ具合とかに馴染みがなくて、一度食べてみればもういいかな~という感じかも。
香辛料も強めで匂いが気になるから、観劇の前には食べられないしね。


こちらはオフのSweeney Toddを観る前に寄ったPommes Frites。


店内は大混雑だったので、近くのワシントンスクエアパークで食べることとした。
空いているチェス用テーブルとベンチを拝借。


こちらも変わらずホクホクして美味しかった。飲み物込み8.25ドルなり。
ただ屋外でジンジャーエール片手にポテトというのは冷えてしまったので…。


Wash.Sq.Wavery Pl.にあるJoe The Art of Coffeeにて一服。
チェーン店とは違った、シャープで個性的な風味のコーヒー。
店員さんも優しかったので、また行ってみたいな。

 
こちらはUnion Square近くの劇場Classic Stage向かいにあるMandolino Pizzeriaのピザ。
生地がもちもちしていて美味しかった! 一人だと結構なボリューム。
観劇前なのでアルコールは控えて、ソフトドリンクとセットで26ドルなり。(チップ込)


お手頃価格のお店(NY内比)ばかり続いたけど、一度くらいは立派なお店で食べてみたいと張り込んだよ。
Priscilla友だちのmkさんのブログで紹介されていたレストラン、Keens。


重厚なインテリアの店内。天井には紳士のたしなみ、パイプがびっしり飾られている。


この日は惜しみなく食べるぞ~と張り切っていたので、まずは生ガキ盛り合わせなどオーダー。


お肉は名物のTボーンステーキが食べたかったのだけれど、一人では如何せん多すぎ。
なのでドライエイジングのステーキをミディアムレアにて。


そしてそして。このデザートのサンデーが絶品だった!!
濃厚な生クリームと、ほろ苦いチョコレート。
このサンデー目当てにぜひ来年も訪れたいものだ。 


さて。この後は「買いました」編。
実家で飼っているインコのぴーちゃんにお土産を買いに、全米展開のペットグッズショップpetcoへ。
訪れたのは2番街の店舗(52nd.stと53rd.stの間)。


鳥さんのおもちゃの品ぞろえはかなり充実している!!


グッズ以外にも小動物の生体販売もあり。写真にはないけどセキセイインコもいたよ。


ぴーちゃんにはおもちゃ3点セット。
妹夫婦のネコたちにはCat Wineなるマタタビを仕込んだマスコットを購入。
このCat Wine、開封したての時にはネコまっしぐらでへべれけに酔っぱらったとか(笑)


人間さまへのお土産は食べ物が一番!
ってな訳で訪れたのが少々お高めスーパーのCitarella。


ここで買ったのがオリジナルチョコレートの詰め合わせ。
ミント、エスプレッソなど6種のフレーバーのミニチョコが18枚入っているよ。
お値段も10ドル足らずなのでお土産に最適かも!


そしてそして。お財布にやさしいTRADER JOE'S。


たまには新しいものにチャレンジしてみようと思い、Umamiなるペースト状調味料を購入。
トマトをベースに、赤ワインや各種香辛料が練りこまれている。
ラタトゥユやパスタソースに加えると味に深みが増して美味しかったよ。
1ドル程度なので、次回のバラまき土産はこれもいいかな~と思っている。


こちらも1ドル。普通に美味しいアーモンドチョコレート。
明治のものと味にさほど違いはなけれど、これもバラまきにはおすすめ。


お土産ではなく現地で飲んだものだけど、こちらもTRADER JOE'Sで購入した缶入り緑茶。
感想としては、回転ずしの粉茶を入れすぎちゃったようなお味。
飲めないものではないけど、これだったら56丁目の日系デリで2ドルのおーいお茶を買うかな…。


今回のお土産はこんな感じ。
やっぱりサラベスの大瓶は欠かせないね。
日本だと3倍の値段はするので、欲をかいて8本も購入してしまったり。
更に今回はCitarellaでイチジクのジャム、TRADER JOE'Sで生ハチミツも買ったよ。

これらの品々を気合でスーツケースに詰めたメガヒヨ。
されど航空チケットはエコノミークラス。
カウンターであえなく重量オーバーを告げられたのであった。


メガヒヨ in NY2017 その5《SWEENEY TODD編》

2017年09月04日 | NEWYORK

今回、チケット取りに一番多大なエネルギーを使った演目。

Norm LewisさんがOff BroadwayのSweeney Toddにご出演されるという話を聞きつつも、普段からPlaybill.comしかチェックしていないメガヒヨは情報を得られずにいた。
やっとショーの詳細を知ったのは渡米一か月前。時は遅し、自分の行ける日は既に完売した後だった。

だけどチケット発売状況をよく見てみると、上演日の一週間前になるとリターンチケットの販売がある模様。
これに賭けてみることとし、旅行一週間前になった日からサイトを執念深くチェックし続けた。

作戦は功を奏し、二階席ながらも無事チケットを確保。
晴れて観られることになったのである。

Barrow Street Theatreはワシントンスクエアパーク近くにあるオフの劇場。
この看板が無かったら劇場と認識できないような建物。



Norm LewisさんにCarolee Carmelloさん、さらにBrad OscarさんにMatt Doyleさん…はぁぁ眩暈が。
こんな豪華メンバーを小さい劇場で観られる贅沢なショーチケットは、転売防止目的のためかすべて当日受け取りとなっている。 


2階席から見下ろした劇場はこんな感じ。
ショーの前に希望者は、オバマ前大統領御用達の職人さんのパイを食べられるよ。
とても美味しいと後から聞いて、メガヒヨは頼まなかったことを大いに後悔した。

さて本題のショーのはなし。

4月30日日曜日19:00 Barrow Street Theatre
メザニンAA-101(2列あるうちの1列目、中央)
レギュラープライス $125.00(事前に専用サイトで購入。手数料別($6))

Sweeney Todd...Norm Lewis
Mrs Lovett...Carolee Carmello
Beggar Woman/Pirelli...Stacie Bono
Anthony Hope...Matt Doyle
Johanna...Alex Finke
Tobias...John-Michael Lyles
Beadle Bamford...Brad Oscar
Jadge Turpin...Jamie Jackson

あらすじ

ヴィクトリア時代のロンドン。美しい妻に横恋慕した判事の陰謀で無実の罪を着せられた理髪師のバーカー。
流刑地のオーストラリアから十数年ぶりに戻ったが、隣人のパイ屋の女主人ミセス・ラベットから聞いた話に衝撃を受ける。
妻ルーシーはかの判事ターピンから言い寄られて自害し、現在娘のジョアンナは養女としてその手に落ちたとのこと。
復讐の炎に身を焦がすバーカー。彼はスウィーニー・トッドと仮の名を名乗り、理髪業を再開する。
しかし街で偶然出会った昔の弟子ピレリに正体を見破られ、後日金銭をゆすられる。
追い詰められたスウィーニー(バーカー)は剃刀でピレリの喉元を切り、殺害してしまう。
自分の身は守れど、この死体はどうすればよいのか。
その光景を見ていたミセス・ラベット。スウィーニーにとんでもない話を持ち掛けてきた。
ロンドンでは肉の値段が高騰している。死体の処理も兼ねて、ミートパイの材料にこの人肉を使い一儲けしようと。

2階席1列目はほぼ問題なくよく見えた。ただ1列目の人が身を乗り出すと2列目の人は見えなくなってしまうのは他の劇場と同じ。

劇場係の方が上演前に注意をしてったけど、結構多くの人が身を乗り出してたな。自分は気を付けてたつもり

このプロダクションは写真をご覧のとおり舞台らしきものはなく、観客と同じ高さで演者が語り、歌う。
バンドも最小限。ピアノとバイオリン、そしてクラリネットの三名のみ。

そして何がすごいかって、キャストの皆さんはマイクを使わずに生の声で演じられるのである。
いくら小さい劇場だからって、何たる贅沢!!
特にNormさんがあるお客さんの顔を鷲掴みにして、間近からバズーガヴォイスを浴びせていたのには痺れた!!
(その人が音波か何かでやられてないか心配(笑))

2Fからその様子を眺めていたメガヒヨ。自分のところにも乞食女/ピレリ役のStacie Bonoさんがやってきてガン見で歌われた。
綺麗な女優さんに間近で歌われて、同性とはいえ照れてしまった(すごい目力だった!!)

それにしてもこの建物の作りを上手く利用した演出だったなぁ。
階段の向かって左に楽屋に通じるドアがあるのだけれど、照明を上手くつかってこれを巨大オーブンに仕立てている。
演出、そして役者の演技が観客の想像力をこれぞとばかりに膨らませてくれた。
ちなみに演出はでロンドンで活躍されているBill Buckhurstさん。このプロダクションはもともとウエストエンド発だからね。 

終演後。出待ちの場所に迷ったけれど、ロビーでファンの人達が残っていたのでそのままそこで待たせていただく。
そしてNorm氏のご登場。メガヒヨ、テンション上がりまくり!!

Norm氏はメガヒヨを見るなり、「やぁ君じゃないか!!」との第一声。
向こうも気を遣って優しく声を掛けて下さったか、誰かと間違えたかなのだろうけど嬉しいご対応。
そして「ボク、怖かった!?」のお言葉。
それに対し「いえす、いえす、いえす!!」とぶんぶん頷く。

そりゃそうだろうな~。数あるミュージカル作品のうち、歌唱力の最難関といわれるこのスゥィーニー役。
といえどもNorm氏は歌は難なくクリア。課題はその優しい顔でもってどう殺人鬼に変身するかだったんだろな。(お察しします。)

もちろんNorm氏の演技は恐ろしかった。これは本当。
ただラベット夫人と歌う♪A little Priestでは強面の仮面を外し、いつものニコニコ顔で嬉しそうに歌ってらした。
思わず『オペラ座の怪人』でのぴょんぴょんはしゃぐファントムを思い出したなぁ。

横にいるのはNorm氏の隠し子ではなく(笑)、Tobias役のJohn-Michael Lylesさん。
彼も素晴らしい役者さん。歌も聴かせてくれた。
Broadway Debutはまだみたいなので、将来楽しみ!!


ミセス・ラベット役のCarolee Carmelloさん。
Broadway屈指の大女優ともお話し出来た!
舞台上ではAngela Lansburyさんバージョンを踏襲する形でのダブルお団子頭。
その存在でまわりの空気さえヴィクトリア時代の下町に変えてしまうのがすごい。
もちろん歌唱力でもNormさんとタメを張っていた。 

そしてこの方も大好き! Brad Oscarさん。
『The Producers』ではマックス役、フランツ役両方観た。2016年にも『Something Rotten』のノストラダムス役で影の主役を張られていたっけ。
このプロダクションでは判事の手下のバムフォード役という贅沢な配役。
いつものスケール感は封印し、子悪党に徹していた。それでも豊かな声を響かしていたよ。

Anthony Hope役のMatt Doyleさん。
ステージドアから最初に出てきた彼。
このプロダクションのプレイビルは白いところがないので、メガヒヨは銀色のペンを持参していた。
Mattさんにサインを書いてもらおうと差し出したところ、折悪くインクが出にくくなってしまった。
それでも彼はぐりぐりと懸命にサインを書こうとしてくれた。なんて優しいの…。
姿や歌声でだけでなく、振る舞いも美しい。ファンに親切なMattさんでした。

 左下のこれね。

そしてそして。乞食女とピレリの一人二役のStacie Bonoさん。
乞食女役の高く深く響く声、そして女性ながら付け髭でピレリを演じるその役者魂。
身のこなしも軽やかで、ダンスもきっと得意だと思う。
彼女のような逸材がBroadway Debutがまだだなんて信じられない。(ニューヨークの役者の層の厚さ、恐るべし!!)
でもきっと近いうちにOn Broadwayの舞台の真ん中できっとこのStacieさんを観るんだろうな。
すっかり彼女のファンになってしまったので、その日を待ち焦がれるのであった。

この『Sweeney Todd』で稀有な演劇体験をさせていただいたメガヒヨ。
今まで観た舞台の中でも最高のものだった。
本当、自分が死ぬ直前に走馬燈の1シーンとして出てくる位に心に残った。
これだからどんなにお金がかかっても、どんなに休日のやり繰りが大変でもニューヨーク通いは止められないのね。

今はキャストの半分が変わっているけれど、Carolee CarmelloさんやStacie Bonoさんはまだ残っているから機会のある方にはぜひご覧いただきたい。
チケットも2018年2月まで販売されているしね。(どうやら延長した模様。めでたし。)